スリランカ、大統領国外脱出で緊急事態宣言発令!

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ラジャパクサ大統領、国外脱出!

スリランカのゴンバヤ・ラジャパクサ大統領が、2022年7月13日未明、軍用機でモルディブに脱出した。

元々、13日に辞任するコトを表明していたが、大統領在任中は訴追が免除されていたが、辞任するとそれがなくなってしまう為、辞任前の国外脱出と言うコトになった模様。

また弟のバジル・ラジャパクサ氏(元・財務相/大統領)も出国したとのコトで、ラジャパクサ一族による体制が完全に終止符が打たれたと言うコトになります。

国外脱出の経緯としては、スリランカは深刻な経済危機に直面しており、7月5日にウィクラマシンハ首相が議会で国家の破産を宣言。
特にガソリンなどの燃料が極度に不足している状態で、年末にはインフレ率が60%にも達する見通しを示しており、危機的な状況の長期化も懸念されていた。

7月9日には、デモ隊が大統領公邸に雪崩れ込み、ウィクラマシンハ首相の家も襲撃を受け、出火。

そうした中で、7月12日にラジャパクサ大統領が飛行機で国外へと脱出しようと空港に向かうが、空港の出入国管理職員が、脱出に手を貸すコトを拒否したとの報道も。

で、最終的には今回の結果、軍用機で脱出と言うコトに。

財政破綻の理由は…?

大統領の国外脱出を受けて、7月13日に首相府はスリランカ全土に非常事態宣言を発令(期限無制限)。

憲法上、大統領不在の場合は、ウィクラマシンハ首相が職務を代行するコトになるが、ウィクラマシンハ首相も既に辞任を表明している状態。
そしてそもそも国民的人気が低く、今回のデモでも襲撃を受けるほど。

そうなると、国会議長が暫定大統領に就任するコトになりそうだが、現議長は、ラジャパクサ氏の盟友とも言える存在。
仮に暫定でも大統領に就任した場合、国民が受け入れるのかどうか…と言うコトになる。
そして、30日以内に国会議員の中から新大統領を選ぶ選挙が行われるコトになるが、与野党ともに国民の支持が高い議員がいる感じでもない模様で、ややこの先の政局が読めない情勢とも言えるのかも。

財政破綻に繋がった理由は、幾つかあるのだろう。

中国に傾倒した債務と言うのもその1つだが、それはあくまでも致命傷になっただけに過ぎず、遅かれ早かれ…と言う感じもある。

そもそも中国による債務は、タミル人が中心となっていたLTTE殲滅作戦への武器支援の見返りと言う流れでもあるのだろうが、それ以前に元々、借金頼みの成長モデルだったと言える。

2000年代初めまでは、デフォルトにも陥ったが、低所得国として好条件での融資も受けやすかったし、迅速に債務再編を行なうコトで乗り切って来れた。

だが、低所得国→中所得国になると、その成長モデルが機能しなくなって来たところに、中国からの債務が加わったと言う感じなのだと。
なので、一概に、“中国が…”とは言えないでしょうが、ラジャパクサ大統領の地元である南部ハンバントタに建設して、結果的に“世界で最も空いている空港”とまで言われた「マッタラ・ラジャパクサ国際空港」を筆頭に、身の丈に合わない投資も多かったと言うのも、要因でしょうかね。

大統領の国外逃亡で、強い政府が必要になる段階だが、その流れになく、当面は、さらに不安定な状況が続きそうな雲行きがあるのかな…と。

民族と宗教の違いを再び、乗り越えられるか…

スリランカ。

ボクが行った時は、内戦状態に一息が付いたと言うタイミングだった(まだLTTEも存在していた)。

北部では争いが続いているが、南部は旅ができる…
そんなタイミング。
ただ南部でも地雷が埋まっていたり、除去作業が追い付いていない状況ではあったけれど。

島国だが、民族・宗教的な違いがある国。

今まではラジャパクサ大統領のチカラで抑え込んで来たモノ。
今回の大統領の国外逃亡で、それがなくなるコトになる。
緊急事態宣言よりも、個人的にはこの辺りの方が気に掛かるところ。

もちろん、大統領がいなくても国軍は存在しているし、内戦終結で分離・独立勢力は壊滅的な状況なので、すぐに内戦状態に戻る可能性は高くない。

だけれども、一刻も早く、政府が機能して債務再編と国民生活の安定化を図らないと、何がどう転ぶかは予断が許さなくなるんだろうな…と。

内戦さえなければ旅しやすい国。
遺跡・海・山…
見どころも豊富にある。
なので、治安の安定化を望んで止まないのだが…

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