低リスク国・地域からツアー客限定で再開へ!
岸田首相が、東京都内で、新型コロナウイルスの水際対策として行なっていた外国人観光客の入国停止を、2022年6月10日から再開するコトを発表しました。
観光目的の入国が認められるようになるとすると、約2年2ヶ月ぶりに。
まずは感染リスクが低い98の国や地域からの添乗員付きのパッケージツアー客に限定して、段階的に対象を拡大するとのコトで、一律・無条件の入国再開と言う訳ではないが、まずは一歩動き出したと言う感じ。
現状、1日当たり10,000人を上限にした入国規制を、6月1日から倍になる20,000人に引き上げる予定の政府だが、それに続く水際対策の緩和で、閑古鳥状態のインバウンド市場にとっても、待望の話題と言うコトになりそうですね。
実証事業は現在進行形なのに…?
個人的に言えば、いつまでも鎖国状態でいられる訳もないのは確か。
なので入国規制は段階的に緩和して行くと言うのは、全然、アリだと思う。
だが…
そもそもツアー客限定と言うのは、どうなのよ?と言う感じはある。
確かに添乗員が同行するツアーの方が、安心感があるのは確かだが、例えば国内滞在中にマスクをしていなくても、法的な義務もない訳だし、別にツアー客に限定する必要があるのかな?と言う感じ。
寧ろ、世界の旅行業界の流れは、最早、ツアーじゃない訳だし。
だが、一番、“どうなのよ?”と思うのは、再開に向けて政府はアメリカ・オーストラリア・タイ・シンガポールの4つの国から少人数のツアーを受け入れると言う実証事業を行なった。
いや、過去形じゃなくて、まだこれらのツアーは24日に入国したばかりで、日本滞在中だったりするので“実証事業を行なっている最中”と書くのが正しいか(アメリカからのツアーは24日に入国して7泊8日の旅程)。
つまりは、実証事業は帰国すらしていない状態なので、もちろんだが全日程が消化していない状態。
そもそも問題点があったのかどうかも、ツアーが終わっていない状態なので、把握できていない訳ですし、問題点があったのであれば、ここから感染対策などのガイドラインを策定して、これから周知期間を設けると言うコトになる。
でも、全日程が終わってもいない最中なのに、受け入れ再開が首相から語られたと言うコトは、やはりあくまでも実証事業は、“出来レース”と言うコトになりますね。
あくまでも“観光客受け入れ再開”が前提で確定している状態での。
確かに実証事業は、受入再開に当たって、判断を可否するモノではなく、対策を立てると言う話のモノなのかも知れないけれど、全然、検証するコトもなく、あっさり開国するんだな…と、改めて思うと共に、今までの水際対策と言うのは、一体、何だったのだろう…とすら。
いや、もちろん、コロナウイルスの感染拡大は最初の頃と、現在とでは、ウイルスの感染状況とかも異なって来るから、考え方も変わって来るのは、当然なのですが。
行き当たりばったり…と言うか、体系的に何もビジョンがナイと言うのが、改めて分かる結果だな…と。
要するに選挙を前にした実績作りか?
確かに、いつかは開国に向けて動き出すモノ。
ただあまりにもそれに向けたロードマップもなく、医療関係の整備も進まない状態で、結論ありきで話が進んで行くと言うのは、激しく違和感を感じる結果でしかない。
ただ円安が進む状態の中である。
受け入れを再開すると言うのは、為替レートからすると、かなり魅力的な話になるのは、事実だし、為替レートを武器に、外国人観光客を受け入れて、消費を促すと言うのも、アリな話だとは思う。
まぁ、要するに、総論としてはアリなんだけれども、そもそも出来レースが露骨すぎて…と言うところと、何も中期スパンの視野が公表されていないのに違和感を覚えると言う部分だろうか。
もうちょっと理論的で中期的展望を含めた丁寧な説明があっても良いように思うのだが、まぁ、今の政権や今の与党にそれは無理だろうな。
少なくとも、参議院選挙が控えている状態で、政府与党は実績作りが1つ、大事になって来るタイミングなのだから。
コメントを残す