エミレーツ航空、A380を40%カットか?

世界最大のA380オペレーター

普段、このブログではあまり正式発表が出ていないニュースは取り上げない様にしているつもりですが(特に海外系)、今回はちょっと大きなニュースだったので、取り上げてみます。

それは、エミレーツ航空が、オール2階建てのA380型機を40%ばかり退役させる計画があると言うニュース。

ANAもハワイ線に導入していたばかりのA380。

個人的には、この頭でっかちな“ヌフッ”としたフォルムが好きなんですが…ね。

オール2階建ての夢の機材と言われて就航しましたが、大きすぎて採算に合う路線が限られると言うコトと、運航コストが高いと言うコトもあり、既に2021年で生産が打ち切られると言うコトが発表になっている機材です。

そして、このA380の世界最大のオペレーターが、エミレーツ航空であり(合計で115機を保有)、エミレーツ躍進の原動力の1つとも言える航空機材ですが、現在、コロナウイルスの影響で、多くの機材を地上で保管している状態。

そして今後、地上保管している機材の内で、最大46機を定期路線への再投入するコトなく、エミレーツ航空からは退役させる可能性が高いと言う報道です。

A380は中古需要がほとんどナイために、このまま多くの機材が退役する可能性すらあると言う感じになります。

そもそも最大のオペレーターであるエミレーツ航空のCEOですら、既に「A380とB747の時代は終わった」と語っているのが現状。

あくまでもA380の肯定派だったCEOが、コロナウイルスをきっかけに初めて否定的な意見を述べた形でしたが、今回の退役の可能性を示唆する報道は、それを裏付ける感じにもなります。

世界でも15の会社しか導入していない機材

現時点で、A380を保有しているのは、世界に数多の航空会社がありますが、15の会社しかないのが実情。

具体的に見てみると、

・エミレーツ航空
・ANA
・大韓航空
・アシアナ航空
・中国南方航空
・マレーシア航空
・タイ国際航空
・シンガポール航空
・エティハド航空
・カタール航空
・カンタス航空
・エールフランス
・ルフトハンザドイツ航空
・ブリティッシュエアウェイズ
・ハイフライマルタ(中古機材のみ)

既に、エールフランスは、10機の引き渡しを受けましたが、2022年までの完全退役を発表し、2020年2月から順次、退役を開始されていますし、合計14機を保有するルフトハンザも2022年から6機を売却予定。

さらに10機を保有するカタール航空も、2024年から段階的に退役を開始する予定。

つまりはコロナウイルスの影響がなくても、そもそも製造が終了し、総機材数も縮小に向かうに向かう情勢でしたが、カタール航空は、退役を前倒しにするコトを示唆しているので、より退役へのスピードが速まる可能性が高そうです。

 

コロナの影響、甚大化、エミレーツ!

A380の半分弱の機材を保有するエミレーツ航空までもが、縮小させる計画と言うのは、当面、超大型機を使用するぐらいまで需要が回復しないと見込んだと言うコトでしょうね。

個人的には、やっぱりオール2階建ての大きさには、ココロがときめいてしまいますが(但し、ドバイの空港ではA380がありすぎて、全然、ときめきませんでしたが)、多くの人が一気に搭乗すると言うコトで、出入国検査などが混みあうと言うのが、難点だな…と思っていたりもします。

乗るのは、イイんだけれどもね。

ただ別にオール2階建てになって、キャパが広くなっているからと言って、エコノミークラスの座席が広くなっている訳でもないし、寧ろ、上級クラスとの格差が広がっただけと言う感じですし。

そして、A380で大量の乗客を集め、そしてまたA380で大量の乗客を世界に送り出して来た中東系の航空会社。

だからこそ、航空運賃も値下げ圧力になっていたと思うのですが、今後は激安の運賃なども出にくくなるのかなぁ…と言うのが、正直な感想だったりもします。

ただやっぱり既にA380の時代は終わり、大量輸送ではなく、程よい乗客数のコスパのイイ機材が求められる時代になったのだなぁ…とも。

元々、そう言う流れがありましたが、コロナウイルスの世界的な拡大は、そのダメ押しになった感じで。

ただ解せないのは、そもそも経営難が続くタイ国際航空とマレーシア航空が、A380放出の口火を切らなかったと言う所ですかね(保有機材数が共に6機と少ないからでしょうかね)。

そして、ハワイ線にのみ限定で投入していて、A380を運用している航空会社の中では一番保有機数が少ないANAは、どうするのだろう…とも。

最早、売るにも売れないでしょうし、保有機材数が少ないのもあって、コスパはもっと悪い機材でしょうし。

そして、何よりもA380を武器にしたエミレーツの経営戦略は、これで大きく変えざるを得なくなります。

破綻してしまう航空会社を別にすると、もしかしたら一番、コロナの影響を受けた形の航空会社になるのかも知れませんね。

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