エールフランス-KLMがアジア路線運航のLCCを設立!
エールフランス-KLMが長距離路線を運航するLCCを新たに設立すると言うニュースが去年にありましたが、その詳細が少しだけ明らかになっています。
新たに設立されるLCCの仮称はBoost。
パリを拠点にして、新会社の乗務員は新たに契約もしくはエールフランス-KLMから同じ契約で移管し、2020年までに10機体制を目指す見込みとのコト。
競争力の確保とシェアの維持を目的にしており、既にヨーロッパ内の短距離路線を運航しているリージョナル航空会社のHop!とは別の動き方になるとのコト。
またエールフランス-KLMとしては、傘下にトランサヴィアと言うLCCを抱えていますが、こちらとも異なる動きになる見込みです。
基本的には、欧州~アジア路線へ就航させ、2017年の冬スケジュールでの就航開始を目指すコトに。
エールフランス-KLMは、ジャーマンウィングスを傘下に持つルフトハンザ・ドイツ航空やブエリングとLEVELの2社を傘下に持つブリティッシュエアウェイズ-イベリア航空のインターナショナル・エアラインズ・グループと異なり、傘下に長距離路線を運航するLCCを持っていない状態なのですが、これでヨーロッパの3大レガシーキャリアが揃って長距離路線を運航するLCCを持つ形になります。
ただ、今回の新しい会社の設立は、LCCに対抗しての新しいLCCの設立ではなく、格安運賃を提示してくる中東系や中国系の航空会社に対抗する為のLCCと言うのが正しいのでしょう。
なので、就航路線もまずは欧州とアジアを結ぶ路線とし、大西洋路線はその後に回すと言う流れになるとのコト。
具体的なサービスの詳細は未発表ではありますが、エールフランス-KLMよりは簡素になるモノの、一般的なLCCよりは充実したサービスの提供を予定している模様なので、イメージとしては、純粋なLCCと言うよりは、エアカナダ・ルージュとかエアベルリンとかが近いのかも知れませんね。
アジア~ヨーロッパ路線はLCCの鬼門?
欧州とアジアを結ぶLCC路線は、現状、
- Norwegian Air Shuttleのバンコク~コペンハーゲン・オスロ・ストックホルム/シンガポール~ロンドン(9月就航)
- ジャーマンウィングスのバンコクとプーケット路線
- スクートのシンガポール~アテネ
ぐらいなモノでしょうか…
スクートのアテネ路線は、長距離と言うよりも寧ろ、中距離と言う様な感覚で捉えて構わないと思いますし、Air Asia Xですらロンドンとパリ線を撤退させているので、なかなかLCCが育たない状態にあるのが実情です。
まぁ、LCCのビジネスモデルと言うのが、短距離路線をフルで運航して機材の効率を上げ、同時にサービスを簡略すると言うのがベースにあるのに、長距離路線を運航するとどうしても効率は落ちてしまいますから、どうしてもビジネスモデルとしては成り立ちにくい環境にあるのが実情なのでしょう。
そして気になるのは、就航地。
エールフランス-KLMは確かに世界各地に路線を就航させていますが、アジア路線が多いかと言われると、そこまで多い訳じゃなくて、ジャカルタやクアラルンプールからも撤退していますから、最初に就航させやすいのが何処だろう…と考えた時に、素人が思うのは、成田と関空じゃない?と言う感じ。あとは武漢ぐらいでしょうか。
KLMが運航している便を合わせて考えても、杭州・厦門・セブとかぐらいしか思い浮かばず。
まぁ、設立後はひとまず10機体制を目指すとのコトなので、そこまで大々的かつ急速に勢力を拡大させる感じじゃないのかも知れないので、このぐらいの就航都市でも充分なのかも知れませんけれどもね。
何処に就航させて、その運賃がどの程度になるのかは、楽しみな所ではあります。
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