てるみくらぶの破産と旅行会社のこれから

南米旅行記は、ちょうどウユニからアタカマに抜けた所ですが、当人の現在地は、ペルーのワカチナ。
目の前に砂丘が見える中で、こんな記事を書いていますが、旅行会社のてるみくらぶが破産したとのコトで、ちょっと思ったコトを挙げてみました。
ウユニツアーの続きは、あとちょっとしたら予定投稿でUpされます~(アタカマ抜けツアーの宿情報記事になります)。

旅行会社のてるみくらぶが破産

旅行会社の“てるみくらぶ”が東京地裁に破産を申請し、受理された。

そこそこの規模を誇る旅行会社であり、“安さ”を武器に成長をして来た会社。
負債総額は151億円にも及ぶとされ、最大で9万人の旅行者へのツアー代金の返済が厳しい見通しになっていると言う。

その直前から、ニュースは出ていた。

3月24日に主催するツアーの航空券が発券出来なくなっていたり、ホテルの予約が完了していなかったりしていたし、その時点で、ニュースにはなっていた。
そして、週が明けた27日に破産申請となった訳だけれども、23日の時点でIATAへの支払い(4億円)が出来ない状態だったと言う。

社長は会見で、最後の最後まで随所に掛け合ったとの話してはいたけれども、結果的には、既に旅行代金を支払った一般旅行者への債務が、約100億円に達すると言われる。

さらに気になるのは、直前まで新聞への広告出稿を行っていた点である。
最早、自力での再建が困難になっていたのは、会社役員や経理担当であれば、気が付いていただろうに。

26日時点で、約2,500人が38の国や地域に渡航しているとされ、現在、渡航中の人は、自力で対処するしかナイと社長が会見で述べている。

それを聞いて、正直、ゾッとする気持ち。
勿論、海外旅行に行くのだから、クレジットカードの1枚や2枚、持っている人も多いとは思う。

が、高年齢者だと、そこまで持っているモノなのか。
いや、学生だとカードの上限金額もたかが知れている場合がある訳で、もし、既に出国してしまっている場合、限度額に達してしまって帰国出来ない可能性とかって、ナイんだろうか。
ってか、旅行保険だとこう言う場合、カバーされないよね、きっと。

なんて、旅先にいると、色々と思ってしまう。
でも、何とかなるだろう…とは思ってしまう自分もいるけれど。

過去4番目の大きな負債額での破産

旅行会社としては、過去4番目に大きな負債になるのだけれども、四季の旅社とかよりも大きな金額と言うのにびっくりする。因みに、1番は252億円のジェットツアー。

って言うか、買掛金が大きかったとしても、そもそも資産を持たない、サービス産業である旅行会社が、どうしたら151億円もの負債を抱えられるのか、そこが気になる。

素人が経営していても、そこまでにならないのでは…と思うし、新卒者の採用も50人規模で行われていたと言う話題もある(既存の社員数が80人程度)。
誰がどうやって教育するつもりだったのやら…と思うし、4月1日の入社式直前で人生を迷わせるなんて…と言いたくなる。

ちょうどボクの前職と従業員数が似ているんですが、さすがに50人規模で入社されても、業務が回らなくなるだけ(それでも前職は30人ぐらい、採用していましたけれどもね)。
回らない部分は、何処に負担と迷惑が掛かるのやら…と、つい考えてしまったりも。
まぁ、そこは新しく入社しようとする人が悪い訳じゃないんですけれども。

近年では、クルーズ船などにも手を出していた“てるみくらぶ”だけれども、ネットで販売するだけのチカラは持っていた会社だと思う。
それこそ大手ではマネが出来ない金額のツアーとかも多く出していたし。

でも、ホントに、こう言う事例が出てしまうと、“旅行会社離れ”に拍車が掛かるだけに思える。

旅行会社のメリットって、一体、何!?

ネットが普及して、旅行会社を経由しなくても、安い航空券やホテルを手配出来る様になった今、旅行会社から商品を買うと言うメリットが、どんどん薄れて行っている。

航空会社もLCCはそもそもネットで自分で手配するのが主流だし、既存の大手各社も機材の規模を大型機から中型機に切り替えて来ているので、旅行会社に流れる格安航空券自体が少なくなって来ているし、その分、格安のツアーも組みにくくなっている。

更に、旅行会社の粗利率の低さは際立っていて、中小だと1%ぐらいにしかならない訳で、そりゃ、どの会社も自転車操業的な状態と言えなくもない。

ってか、粗利率1%なんて、産業としては末期だと思う。

グアムやサイパンなどは安売りをしすぎて、最早、プライスラインを元に戻せない状態になり、航空会社が撤退するにまで至っている訳で、観光地とWin-Winになれない“旅行会社って、もういらないんじゃないか?”と言いたくなる。

特に中小規模の旅行会社は、売り物が何もナイ状態の所が多い。
何かに特化した形の旅行会社じゃなければ、大手格以外の旅行会社は、きっとこれからも厳しい時代になるのは間違いがナイ。

そもそも人がいない。
旅行に詳しい人が、旅行会社にいない(もしくは経営が出来る人)。
個人的には、それが何よりも致命的な気がする。
ある程度、“旅行が好きです~♪”ぐらいな人しかいないんだったら、ネットを駆使した方が便利な時代。
対面販売形式を維持するのであれば、ツアーであれ、何であれ、情報をしっかり持っていて、その上でサービス業が出来る人が必要なんだと思うのだけれど、そもそも旅行会社の賃金が低すぎるのもあって、人が集まらない産業になりつつある。

高齢者に特化する旅行会社とかもあるけれど、やっぱりそこは“人”がちゃんといるし、地域に特化する旅行会社も、“人”が育っている訳で。

ただ“人”を育てるのは、時間も費用も掛かる。その分、ネットに特化した方が安上がりなのは、間違いがないんだけれども、Bookingサイトも格安航空券のサーチサイトも、牛耳っているのは、今や海外サイト。

そろそろイノベーションが必要な産業なのは、間違いがナイ。
それがなければ、どんどん旅行会社と言うのが、不必要になって行く時代だろうなぁ…

なんて、つい考えてしまったけれど、旅×人×Webで、もっとイノベーションが起きても良いと思う。何と言っても、旅とインターネットとは相性が良いと思うので。

 

ん?

具体的にって言われたら困るし、それが分かっていたら、自分でやってますけれど。

 

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