津軽線蟹田~三厩間、沿線全自治体が鉄道での復旧断念を容認へ!

鉄道維持派の今別町が方針転換!

2022年8月の記録的な大雨により被災し、運休が続いている青森県のJR津軽線蟹田~三厩間(28.8km)。

存廃論議がJR東日本と沿線自治体・青森県との間で続けられていました。
JR東日本側は、バスやタクシーと言った鉄道以外の交通手段に転換する案を提示していたのに対し、今別町は沿線自治体の中で唯一、鉄道路線での維持を求めてきました。

その今別町が、5月23日に開かれた会議で、

鉄路の復旧は断念した。
今別町がこだわりすぎても町や他の沿線自治体のためにならないので、自動車交通への協議に応じると言う苦渋の決断をした。

と、鉄道による復旧を断念する意向を表明し、JR側が提案しているバス・タクシーへの転換の協議に応じる方針に転換し、沿線自治体の足並みが揃ったコトで、津軽線の一部廃線に向けた議論が加速する公算が大きくなりました。

今後は、鉄道に代わる運行手段をどうするか、具体的な議論が進められるコトになります。

JR東日本は、特に利用者が少ない路線の区間について、収支の公表を始めていますが、公表後、廃線を前提とした議論が進む方向になったのは、今回の津軽線が初めてと言うコトになります。

 

JRでも有数の閑散区間だっただけに…

津軽線は、青森~三厩間55.8kmの路線ですが、青森~蟹田と蟹田~三厩間で運行形態が大きく異なる路線。

北海道新幹線の新函館北斗までの開業で、特急が走るコトはなくなりましたが、それまでは青森~蟹田~中小国間は、特急や貨物列車が行き交う路線で、現在も青森~新中小国信号場までは電化されている路線。

一方、運休が続く蟹田~三厩間は非電化単線で、運休前までのダイヤでも1日5往復が走るのみで1日100人程度の利用と言う閑散区間でした。

本州と北海道を結ぶ動脈の一部である「津軽線」の一部だったが故に、何とか維持されてきたレベル。

復旧には最低4ヶ月、6億円以上との試算をJRが示しており、JR東日本としても、大きな赤字が出ている区間なだけに復旧には消極的でした。

JR東日本、運休中の津軽線蟹田~三厩間、存廃協議へ!

元々、この地方は青森県内でも過疎が進むエリア。
ただでさえ需要が減っている区間ですが、この先、需要が増える見込みがない。

存廃論議になるのも、無理はない。

しかも都市間輸送が皆無な盲腸線なのだから、余計に。

沿線で竜飛岬や青函トンネル記念館などもありますが、やはり冬季は需要が少なくなるのに加え(と言うか、記念館は閉館)、鉄道の便数が少なすぎて、観光需要でも利用しにくい路線だった感じですし、仮に本数が増えたとしても、そもそもの観光客は限定的だったかな…とも。

米坂線は、どうなる…?

さすがに津軽線の末端区間は、人口も少ないですし、なかなか鉄道で残すと言う選択は厳しいかな…とは思っていましたが、やはり…と言う感じ。

海峡線は残るので、津軽線の蟹田から奥津軽いまべつまで青森からの便を持ってこれたら、代替バスの運行区間も短くて済みそうですが、そもそも海峡線はJR北海道だから、そう言う話にはならないんでしょうね。

今別町としては、新幹線は走り、駅もある。
在来線は走るけれど、駅がない。

そんな自治体になりそう。

で、この津軽線の末端区間の存廃。
これが他の路線に波及するのかどうか。

現状、JR東日本管内で、自然災害による影響で運休が続いているのは、米坂線。

米坂線は盲腸線ではないけれど、中間は県境と山越えでかなり需要が細く、人口も減っているエリア。

かつては新潟~山形・仙台方面を結ぶ路線の一部でしたが、現在はローカル輸送に徹する路線ですから、やはりかなり先行きは厳しいと言わざるを得ないけれど…

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