今回の記事は、書いていて、やっぱり狙いが分からない…と言う結論だったりします。
お偉い方々の意図がどこにあるんだろう…
ま、色々と考える部分はあるんだろうけれど。
インテグラルから鈴与へ…
国内航空業界で第3極を目指している「スカイマーク」。
2015年に経営破綻して以来、投資ファンドの「インテグラル」が再建の支援を続けていて、2022年には東証グロース市場へ再上場を果たすなど、一定の成果を見せていたが、2023年11月14日付でこの「スカイマーク」の普通株式785万株を「鈴与ホールディングス」が握るコトが発表になりました。
株式を自由に売却できないロックアップ期間が2023年6月に終了して以降、オンライン旅行予約サイト大手のエアトリに3.2%の株式を譲渡するなど、「インテグラル」は段階的に「スカイマーク」の保有株式を手放す動きを見せていますが、今回の株式譲渡が実行されると、「鈴与ホールディングス」が13%強の株式を握り、「スカイマーク」の筆頭株主に躍り出るコトになり、「インテグラル」の保有株式は大きく株主順位を落とすコトになりそうです。
なお、価格は1株当たり895円。
取得総額は70億2,575万円になる見込そもそも「鈴与ホールディングス」と言えば、静岡を拠点にしている企業グループで、創立から230年以上が過ぎた名門企業。
グループの中核は物流事業だが、食品や情報事業など幅広く事業を展開しているグループ。
航空業界との関わりで言えば、やはり傘下に「フジドリームエアラインズ」（FDA）を持っているコトで知られているグループ。
その「鈴与ホールディングス」が「スカイマーク」の筆頭株主に躍り出ると言う意味は、どこにあるのだろうか…
相乗効果がある組み合わせなのかどうか…
単刀直入に言ってしまえば、まだその意図が見えてこない。
それが実情である。
「フジドリームエアラインズ」としても、寝耳に水だったようだし（経営幹部陣は事前に知っていたかも知れないが）。
「スカイマーク」は、神戸空港などにも拠点があるが、やはりその強みは羽田発着の国内線にある航空会社。
一方で「フジドリームエアラインズ」は、静岡・名古屋（小牧）空港を拠点に、主に地方～地方の航空路線を展開して来た航空会社。
事業分野も異なるし、使用している機材も異なる。
さらに拠点として被る空港も多くはない状態で、相乗効果があるのか？と言えば、そこまで…と言う感じはしてしまう。
そして「スカイマーク」は、ANAホールディングスも出資をしている状態。
ANAとの関係で見ると、「スカイマーク」側が反発しているコトもあって、実際に何かしらの提携が実を結んでいる訳ではないが、「フジドリームエアラインズ」はJALとの提携がある航空会社なので、その部分でもねじれが生じると言うコトにもなる。
もちろん、実際に裏側の業務では何かしらの提携があるのかも知れないが、筆頭株主に躍り出たと言えども、出資比率が13%でANAがまだ第2位の出資比率を維持している状態では、思い切った提携に踏み切るのも困難なように思えてならない。
どうして「鈴与ホールディングス」がいきなり出資をしたのか。
その意図が良く分からないが、「鈴与ホールディングス」自体、別に上場企業ではなく、特にそこまで情報が開示されていないコトもあって、意図が読めない状態になった感に。
一番考えやすいのは、物流事業がメインの「鈴与ホールディングス」が「スカイマーク」の貨物事業を狙ったと言うコト。
「フジドリームエアラインズ」だと貨物事業は皆無ですが、「スカイマーク」ならあり得ますからね。
第3極を狙う動きになるかどうか
国内第3極を狙う「スカイマーク」と、地方路線が手厚い「フジドリームエアラインズ」。
一気に統合と言う形にはならないのかも知れないけれど、じっくりと育てて行く動きがあれば、なかなか面白い動きにはなりそう。
ただそれでも「スカイマーク」の第2位株主であるANAホールディングスの動向は、見逃せない訳ですけれど。
ANAとしても金だけ出して、何の効果もなく、それでいてA380を買う契機になった…と言うのは、株主から見れば、許されないでしょうし（別にANAが、スカイマークのA380を買った訳ではないけれど）。
ただ間違いなく言えるのは、こうした動きができるのも「鈴与ホールディングス」が上場企業ではなく、一族経営だからと言う話。
思い切った政策を打ちやすいと言うのはありますよね。
「インテグラル」としては、出口を探していたのでしょうし、その思い切った政策に見事にタイミングがマッチした…と言う感じですね。
この先、どう言う動きがあるのか。
ちょっと楽しみではありますね。
コメントを残す