宇都宮LRT、約15kmが開業!
日本国内で新規で軌道法に基づいて建設された路線としては、1948年4月の現・万葉線高岡軌道線以来、約75年ぶりとなる「芳賀・宇都宮LRT」(路線名としては、宇都宮芳賀ライトレール線)が、2023年8月26日に開業を迎えた(既存路線の改良などによる建設などは他にも例がある)。
この「芳賀・宇都宮LRT」は、栃木県の宇都宮市と隣接する芳賀町を結ぶ路線で、宇都宮駅東口~芳賀・高根沢工業団地間の全長14.6kmを結ぶ路線。
合計で19の停留場が設けられ、併用軌道は宇都宮駅東口~平石・清陵高校前~グリーンスタジアム前・ゆいの杜西~芳賀・高根沢工業団地の間約11.1km。
その他の3.5kmが専用軌道となっている。
全線での最高速度は、現状、40km/hで全線での所要時間は約48分(現状は、暫定的な特別ダイヤ)。
ただ将来的には併用軌道区間では50km/hに、鬼怒川を渡る専用軌道区間では70km/hでの運転を行う計画でいる。
開業時のダイヤは、各駅に停車するタイプのみでの運行。
運転間隔は朝夕のラッシュ時間帯が8分間隔で、その他の時間帯ならびに休日は12分間隔となっているが、今後、朝ラッシュ時は6分間隔・そのほかの時間帯ならびに休日は10分間隔での運行を計画しており、快速列車の運転も予定されている。
途中の平石とグリーンスタジアム前は、追い抜きが可能な構造になっているので、退避施設が活用されるコトになりそう(但し、快速運転はラッシュ時間帯のみの計画)。
快速運転が実施されると、全線の所要時間は約38分前後にまで短縮される見込み。
西側への延伸も計画に!
国内で初となる1からのLRT開業。
さらに「芳賀・宇都宮LRT」は、宇都宮駅の西側へと延伸する計画がある。
現時点では、東武宇都宮を経て、栃木県教育会館付近まで伸ばす予定で、完成すると、また宇都宮の軸が変わってくるのかなぁ…と言う感じ。
今回、開業した区間は、通勤需要もありそうですが、問題は、それ以外の需要がどこまで広げられるか…と言う点でしょうか(あと通勤需要を車からどれだけ転移できるのかも課題にはなりそうですが)。
宇都宮自体は、県庁所在地なだけあって、商圏もしっかりある。
まだまだチカラはある都市なだけに、このLRTを活かして街を造って行けるか…と言う感じも。
課題になるのは、やはり車社会であると言うコト。
高齢層はバスからLRTに向かうコトがあり得るでしょうし、通学客も同様。
ただ車社会に慣れ親しんだ層が、どれだけLRTを活用する様になるのか…と言う感じも。
日本でもLRT導入が広がるかどうか
世界的にトラム・LRTの見直しがなされて久しい。
国内においても、富山港線がLRT化して以来、機運は高まっている。
が、これに続く都市がナイ。
LRTは確かに便利な乗り物だし、それ1つで都市再生の起爆剤にもなりえる存在だが、費用対効果で考えると、初期費用は安くないのがネックなのだろうなぁ…と。
本来であれば、観光客にとってもバスよりもLRTの方が使い勝手も良いし、大量輸送にも向いているので、京都なんかが候補に挙がってきていいと思うが、実質的に断念した状態だし(そもそも京都の場合はLRTと言うよりもトラムに近い様にも思うが)、“新設”と言う意味で続く都市が出て来るかどうか。
そう言う意味でも、今回の宇都宮のLRTが1つの試金石になるんだろうな…と。
これが色々な意味で成功を収めたとなれば、続く都市が出てきてもおかしくはないですからね。
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