まだコロナ禍から立ち直れていない
コロナ禍からの経営立ち直りが続く世界の航空業界。
そんな中で、中国3大大手航空会社の2023年通期決算が明らかになりました。
3社ともに赤字決算。
赤字決算は4年連続。
具体的に見ると、こんな感じ。
2023年度 | 2022年度 | |
中国東方航空 | ▲82億元 | ▲374億元 |
中国国際航空 | ▲10億4,000万元 | ▲386億元 |
中国南方航空 | ▲41億元 | ▲327億元 |
4年連続の赤字ではあるが、揃って、大きく収益は改善した形。
直近の第4四半期だけを見ても、中国国際航空は、18億元の赤字(前年同期は105億元の赤字)。
中国南方航空の第4四半期も54億元の赤字(前年同期は151億元の赤字)。
ただ全世界的に需要が急回復している中では、立ち遅れが目立つと言う形になった。
コロナ禍後、特に中国は厳しい外出制限が続いたコトもあり、需要喪失が長引いていはいたが、まだ海外旅行が回復していない傾向にある。
また第4四半期に入って、国内経済が大きく陰りを見せたコトもあり、国内需要が低迷したのが、大きかった。
さらに高止まりする航空機燃料コスト、人民元安なども影響しているのだとは思われる。
ただ2024年度に向けては、旅客需要は、中国でもコロナ禍以前の水準にまで戻って来ているのは、間違いがなく、国際線の便数も、2024年末までには約80%にまで戻る見通し。
まだ戻り切っていない。
それは確かだろう。
ただ国際線に限って言えば、コロナ禍以後、ナリを潜めていた激安運賃のアジア・欧州行なども出てきているし、復調に向けて動き始めているのは、間違いなさそう。
ただまず海外在住の観光客は、ノービザを解禁しない限り、戻ってこないだろう。
もちろん、中国は、圧倒的に人口がいる国なので、別に海外からのインバウンドに頼る必要はなく、中国在住民が海外に向かえば、それで満たされるのも事実。
経済的に冷え込みが見えているのは確かだが、海外旅行を手控えるほどまでには…と言う感じなので、2024年度にはしっかりと黒字転換を果たしてくるのかな…と。
逆に言えば、2024年度にかなり大きく経済が落ち込まなくて、赤字決算だと、もう何かしら構造的な感じとも言えるのかも知れませんね。
業績が戻っていない航空会社はどこだろう…?
多くの国の航空会社が、2023年度は業績を回復させた1年だったように思う。
日本もひとまずJALやANAは大きく業績が戻ったし、中規模のスカイマークやエアドゥなども戻して、残るはスターフライヤーぐらい。
海外の航空会社も業績が急回復した感じのところがほとんどのように思う。
まぁ、コロナ禍から比べると、回復しかしない訳ですけれどもね。
逆に、中国の3大航空会社のように、まだ赤字が続いていると言う国・航空会社はどれぐらいあるんでしょうね。
国内線が弱く、国際線需要が回復していない国と言うコトになるのかも知れないけれど、そうなると航空会社云々ではなく国全体で何かしらの影響が残っているとも言えるんでしょうね。
ってか、そろそろ中国も外国人旅行者に再度、門戸を開放しないモノなのかな…
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