JAL第2四半期決算は、1,049億円の赤字!
先日のANAに引き続き、JALの2022年3月期第2四半期(2021年4月1日~9月30日)の連結決算が発表になりました。
引き続き、国際線は需要自体が限定的な状態で、国内線も感染の再拡大などがあり回復の動きが鈍いままだった状況でしたが、業績にもそれが如実に表れた内容になっています。
まず売上収益は、2,906億円。
前年度から比べると958億円の改善になっていますが、コロナ禍の影響がなかった2019年同期と比べると4,582億円の減(▲61.2%)。
国際・国内線共に、昨年度よりはプラスになっていますが、2019年度と比べると大幅減のままで、唯一、プラス成長なのが貨物郵便部門で、983億円(対前年度449億円増)と言う状態でした。
項目 | 今期 | 前年同期 | 対前年同期差 | 対前年同期比 |
売上収益 | 2,906億円 | 1,947億円 | +958億円 | +49.2% |
売上|国際旅客 | 298億円 | 91億円 | +206億円 | +225.0% |
売上|国内旅客 | 899億円 | 696億円 | +202億円 | +29.1% |
売上|貨物郵便 | 983億円 | 534億円 | +449億円 | +84.0% |
純損益 | ▲1,049億円 | ▲1,612億円 | +562億円 | - |
財務・法人所得税前損益で見ると、1,518億円の赤字。
ANAと比べてみると、コロナ禍以前は、破綻したコトで財務が軽くなったコトもあってJALの方が高収益でしたが、今年度に入ってからは、収益性でJALが劣ると言う結果になっていますね。
収入減の幅もJALの方が多少大きく、営業費用の削減はJALが35%減に対して、ANAは44%の減と、JALのが削れていないと言うのもポイントになっているかと。
ただ雇用調整助成金は、ANAの方が格段に大きいですし、2019年度と比べてみると、JALの方が国際・国内線共に減少幅は小さいのですが。
国内線は今年度には随分と回復する見込み
今回の決算で、ANAは通年の赤字転落に下方修正しており、1,000億円規模の最終赤字を見込んでいますが、JALは1,460億円の赤字としています。
この辺りは、JALは売り上げが下期には戻って来るけれど、それと共に費用も増加するので赤字幅が膨らむとしているのですが、ANAは費用を抑えられると見た結果によるモノ。
で、下期の予想としては、国内線は第3四半期にコロナ禍以前の65%程度に、第4四半期に90%まで戻ると想定。
これはANAがそれぞれ50%・80%と想定しているのと比べると、JALの方が強気の回復想定になっています。
ただ国際線は期末時点で23%までしか戻らないと見ている状態ですが、ひとまず、国内線需要がある一定で戻れば、一息付ける感はあるのでしょうね。
通年だと赤字予想のJALですが、第3四半期にはキャッシュバーンを脱し、第4四半期にはキャッシュイン状態に転換すると見込んでいる。
手元の資金もまだ3,700億円が残っている状態なのに加え、下期にも2,000億円の借り増しが計画されている状態。
自己資本比率も41%と申し分ない状態なので、このまま感染が落ち着いてくれれば…と言う感じなのでしょうね。
年末年始にどれだけ需要は戻るのか…
さて、中間期決算ではあったけれども、ここからどれだけ回復に向けてのスタートを切れるか…と言う感じのタイミングになったのかな…と。
先日、小松→羽田線に搭乗しましたが、昼下がりなのに、かなり搭乗率は良さそうでしたしね(日曜日だったと言うのも大きいとは思いますが)。
ただ元々、下期は需要が伸びるタイミングじゃない。
そうしたタイミングになってしまうのは、ちょっと残念な感じもあるけれど、傘下のLCCを絡めてどう需要を創出できるか…と言う気はしますかね。
ひとまず、年末年始にどれだけ需要が回復しているか。
それが流れを読む上で、1つの指標になるのかも知れませんね。
去年は、ちょうど感染の拡大が年末年始に被ってしまいましたが…
コメントを残す