値上げの春~。
昨今、値上げの話ばかりですが、一旦、上がったモノが下がると言うのは、なかなかナイのがツラいんですよね。
状勢的に仕方ない値上げはあると思うのですが、改善したら下げて欲しい…と言う感じで。
JR西日本、特定99区間の運賃値上げへ!
JR西日本が、2023年4月1日購入分から、関西圏の主要路線の一部運賃を値上げするコトを発表しました。
値上げ率は、通勤定期を除くと平均5.1%。
普通運賃が、10~40円ばかり高くなる計算。
消費税の増税を除くと、運賃の値上げは1987年の発足以来、初めての事例になる。
具体的には、関西圏で国鉄時代に私鉄との運賃差を抑えるために割安となる特定区間運賃を315区間に設定しているが、これを改定すると言うコトで、元々の基本となる運賃が改訂になる訳ではない。
改定になるのは、特定区間運賃の中でも一部の区間で、
・普通運賃+通勤定期運賃…34区間
・6ヶ月通勤定期運賃…65区間
の合計99区間で改定がなされる見込み(但し、どの区間も通学定期運賃については現行据え置き)。
普通運賃も改定になる34区間の内、主な区間を取り上げてみると、以下の通り。
路線 | 区間 | 普通運賃 | |
現行 | 改定後 | ||
京都線 | 大阪~高槻 | 260円 | 280円 |
神戸線 | 大阪~神戸 | 410円 | 450円 |
大和路線 | 天王寺~奈良 | 470円 | 500円 |
阪和線 | 天王寺~和歌山 | 870円 | 890円 |
東西・神戸線 | 北新地~神戸 | 410円 | 450円 |
奈良線 | 京都~JR小倉 | 290円 | 300円 |
こんな感じ。
逆に言えば、主要路線の中でも大阪~京都・三ノ宮(あくまでも値上げになるのは三ノ宮ではなく神戸)・宝塚や京都~奈良間などの普通運賃は据え置きと言うコトになります(それらの区間も多くは6ヶ月の通勤定期は値上げ)。
値上げと言うより、値下げを見直しが正しいが…
特定区間だけ安く設定していたモノの中で、一部区間だけ値上げする。
そう言う話。
私鉄との競合が激しかった関西圏は、JR西日本の経営の源泉になっている訳で、そこの値上げと言うのは、やはり苦渋の決断だったと思う。
速さではもうJRには勝てなくなっている関西圏の私鉄各社。
大都市間輸送と言うよりも、途中駅からの乗客をいかに拾えるか…に、主眼が移っている状態ですし、JR西日本をそこを狙い撃つかのように新駅を設けて来ていたりしますしね。
運賃的にも、昔ほどの格差はなく(区間にもよるが)、特に6ヶ月定期で見るとJRの方が安くなっていたりする訳で、値上げがしやすい状態ではあったのかも知れない。
だけれども、競合関係が解消された訳でもないので、一部区間であったとしても値上げすると言うのは、やはり驚き。
それだけコロナ禍でJR西日本の経営状態がピンチになっていると言うコトなのだろう。
個人的には、値上げと言うのは、もちろん賛成したくはない。
だけれども、諸々の設備更新や安全対策など、出費はどんどんかさんでいる状態。
世界的にも電気料金や輸入費用が高騰している状況下にある訳だし。
これまで会社発足以来、消費税の増税以外では値上げしてこなかった訳で、ある程度の値上げは是認されるべきなのかな…と言うのが、正直なところ。
今回の改定は、値上げと言うよりも寧ろ、割引サービスを縮小すると言う話ですしね。
割引率の高い通学定期は、据え置き
公共交通機関の値上げと言うのは、やはり利用者としては痛い。
関西圏だとまだ競合路線も多いですが、それでもそれを使わざるを得ないと言うケースも多いですからね。
JR西日本は、関西圏で出した利益を地方に回すと言うビジネスでもあるので、ここでしっかりと利益が出せないとなると、地方は廃線と言う選択肢もどんどん視野に入ってくる訳ですし(逆に関西圏の利用者からすれば、このコト自体、容認される話なのか?と言う気はするけれど)、関西圏でも設備投資を控えると言う結果に直結するでしょうから、ある程度、適正な運賃と言うのは、仕方がないのかな…とも。
で、今回、割引率の大きい通学定期に関しては、値上げされないと言う結果に。
どうしてここには手を付けなかったのだろう…と言う感じはしてしまう。
鉄道事業でお金が掛かるのは、朝ラッシュ対応。
その一端を担う訳だし、時差通勤(この場合は、通学)もできない通学客。
つまりは朝ラッシュの混雑・設備投資に直結している層。
それなのに、割引率はかなりの高さ。
普通運賃ならば、大人と同額だったりするのに、どうして定期になるとあれだけの割引を採用しているのだろう…と言う気も。
確かに通勤定期は会社から支給される人が多く、個人的に財布を直撃する訳じゃない(企業の業績には直結しますが)。
一方の通学定期は、学校側から支給される訳じゃないから、家庭の財布を直撃する。
要するに、その差なのだろうけれど、ちょっと今の割引率は大きすぎるようにも思うんだけれどなぁ…
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