『前略 雲の上より』
原作:竹本 真
作画:猪乙 くろ
刊:講談社(イブニングコミックス)
“空”がマンガに!
[speech_bubble type=”rtail” subtype=”L1″ icon=”tabikazu01-i.jpg” name=”たびかず”]久しぶりの「旅本」シリーズです。[/speech_bubble] [speech_bubble type=”rtail” subtype=”R1″ icon=”tabikaeru01-i.jpg” name=”たびがえる”]こんな外出できない時だからこそ、おうちで旅気分を味わおうケロ~♪[/speech_bubble]意識高い系の今どきな若手社員の桐谷と、強面課長の竹内との空港・飛行機にまつわるマンガ。
初めてこの作品に出会った時、それまで鉄道系はマンガになっているケースはありましたが、いよいよ“空”もマンガの舞台になるようになったのか!と思ってしまいました。
が、だからと言って、オタク系か…と言われると、そう言う訳でもなく、空港の楽しさ・飛行機旅の面白さを、ちょっとコミカルに描いた作品。
時折、課長がかなりのセリフを吐きます。
『初めての空港で展望デッキへの道を探す…これを超えるアトラクションはどの遊園地にも存在しない』
『飛行機の景色は次元が違う 神の視点だ』
『空港にはあらゆる要素がつまっている オレは人生の全てを空港で学んだ…と』
『オレたちは旅をするために飛行機に乗るのではない 飛行機に乗るために旅をするのだ』
『前略 雲の上より』第1巻・第3巻より
いや…
課長、名言(迷言)すぎます。
ボクも空港好きですし、飛行機も好きです。
展望デッキも時々、行きます。
が、展望デッキを探す道をアトラクションだと思ったコトはないです。
初めての空港は、どちらかと言うと、隅から隅まで歩くタイプです。
が、空港にあらゆる要素がつまっていると思ったコトは1度もないです。
夕陽時とかは、確かに神の視点と言われれば、何となくそんな気もしますけれどね。
そして、飛行機に乗るために旅をすると言うのは、ちょっとビミョーで、片足は課長側に足を突っ込んでいる気がします(笑)。
うんちくばかりではなく、あくまでもたくさんの話題がギュッとスピーディーに詰まっているのは、あくまでもコミカルに描いているコトと、掲載紙が月刊誌の『アフタヌーン』ではなく、1話当たりのページ数が少ない『イブニング』だからなのでしょうかね。
1話当たりのページ数から考えると、かなりの情報量もある様に思えます。
飛行機好き・空港好きにはたまらないシリーズですし、そうでもない人も、新しい感覚で読めると思う(少なくとも空港ターミナルのレストラン情報などは、役に立ちそう)。
旅に出たくなる・空港に行きたくなる…
国内空港の話だけで、全7巻。
コミカルな話なので、あっと言う間に読めます。
逆に、個人的には海外の空港の話まで期待していたのですけれどもね。
海外の空港も特性のある空港が多いですからね…
国内編だけで完結してしまったのは、つくづく残念。
評価は高かったと思うけれど、いきなりの連載終了発表だったので、どちらかと言うと打ち切りに近かったのかな?と言う気はします。
単行本も、大型店以外の街中の本屋さんではほとんど見なかったですしね。
それにしても、今でもよく連載が通ったなぁ…と言う気がします。
さすが『イブニング』です(勝手なイメージですが、『アフタヌーン』『イブニング』『モーニング』は、通好みの斬新な企画作品が時々ある気がしているので)。
そして、逆に全7巻で完結したコトで、さらりと読めるボリュームで収まったと言う気はしますけれどね。
Web連載とかの形で、続編が出れば、それはそれで楽しめると思う作品なだけに、完結はちょっとショック。
新型コロナウイルスの影響で、なかなか旅に出られる環境にないけれど、つい読んでいると、旅に出たくなるし、旅に出ている自分を妄想してしまう作品です。
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