単年度の収支は均衡している状態だが…
南海電鉄が、子会社の「南海フェリー」が運航している和歌山~徳島間のフェリー事業を、2028年3月末を目途に撤退することを発表しました。
1975年から運航を開始した同フェリー。
1998年に明石海峡大橋が開業したこと。
さらに人口減少・少子高齢化が進んでいることで、利用が減っている中で、新型コロナウイルスの感染拡大で、経営に大きな打撃。
2021年度以降は、債務超過状態。
さらに近年は、燃料費の高騰が加わっており、現状、「かつらぎ」と「あい」の2隻体制で運航していますが、2019年に新造した「あい」は、まだまだ新しい船ですが、1999年就航の「かつらぎ」の船体更新ができず、「あい」1隻での運航では、効率的な経営・運航ができないと言うことで、運航から撤退すると言う判断に。
2024年度の年間の旅客者数は、35万7,000人。
コロナ禍以前だと、年間41万4,000人の旅客数なので、まだそれに届いていない状態。
ただ値上げの効果もあって、営業収益は2019年度は20億5,500万円で、営業損益が7,800万円だったのに対して、2024年度は21億3,000万円で、900万円の赤字。
2023年度は21億900万円の営業収益に対して、2,500万円の黒字。
そう考えると、収支は均衡している状態と言えそう。
ただコロナ禍期間中の2020年度の営業損益が5億3,200万円の赤字。
翌2021年度は4億6,200万円の赤字。
つまりこの2年間で約10億円近い赤字になっていたので、これを回復させつつ、新しい船体を導入すると言うのは、難しいと言うことなのでしょう。
フェリー連絡に特化している和歌山港線は、どうなる…?
ただ収支は均衡していることもあり、他に引き取り手が出る可能性はゼロではないのかな…と言う感じはするが、気になるのは、南海の和歌山港線の存在。
和歌山市~和歌山港間2.8kmを結ぶ路線だが、南海の持ち分は、0.8km。
和歌山県の持ち分が2.0km。
かつては和歌山港から先、水軒駅まで路線が伸びていたが、2002年に廃止になり、現状は、この2.8kmだけの路線に。
2005年には久保町・築地橋・築港町の途中駅3駅を廃止し、現在は、途中駅がゼロと言う路線。
現在は、ダイヤもフェリーとの接続に特化したダイヤになっている。
つまりフェリーが生命線と言うべき路線。
その生命線がなくなる訳だから、今後、予断は許さないと言うことになりそう。
ただ和歌山港線の場合、半分以上は和歌山県の持ちモノなだけに、この辺りは県の移行に大きく左右されそうな気はする。
ただサザン・急行によるなんば直通は、いつなくなってもおかしくない。
そんな感じではあるけれど。
利便性は悪くないのだが…
かつて明石海峡大橋ができる前までは、関西~四国間を結ぶ大動脈の1つだった「南海フェリー」。
現在も24時間体制での運航で、和歌山港発だと2:40~21:50の間に8便。
徳島港発も2:45~21:50の間に8便。
2時間半から3時間程度の間に1便が運航されていると言う感じなので、何気に利便性は悪くない。
和歌山港は駅に直結だし、南海で便によってはなんばまで1本で行ける。
徳島港も、市内中心部の徳島駅までバスで25分程度と、悪くない。
ただやはり橋ができた影響は大きくて、乗り換えが複数回発生するとなると、旅客のメインルートにはちょっとなりにくいと言うことなのだろう。
ならば貨物・車で…と言う感じだが、こちらも長期の停滞からは抜け出せていないし、そもそも南海グループとの連動が皆無になるから、南海としても力を入れる理由が見当たらない。
ただ利用がない訳ではナイし、単年度で見れば、収支は均衡している状態。
もうちょっとテコ入れがあっても良かったような気はするけれど、南海グループとしては、鉄道・不動産に力を入れていく中で、コア事業から外れると言うことなのでしょうね。







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