いつか出会いたい、ココと言う場所
旅をしていて思うのが、いつか“ココ!!”と言う国や場所・街に出会えれば良いな…と言うコト。
それはきっとその場所が持つ魅力だけではなくて、時世や社会情勢と言ったタイミングにも影響するのかも知れないけれど。
それは常々思いながら、旅をしている自分がいる。
そう言う意味では、著者である高野秀行氏は、そう言う場所に出会ったのだと思う。
本作は、“謎の独立国家ソマリランド”に続くソマリア・ソマリランドの訪問記だが、読んでみて、その想いを強くした。
そして、“ココ!!”と言う場所に出会えたであろうコトが、改めて羨ましくもあり…
いつになったら、それを感じる旅ができるんだろう…と思ってしまう自分もいます。
生活・文化の本としても!
前作の“謎の独立国家ソマリランド”は、著者史上最長の1冊になって、重たいコト、この上なかった(でも、その長さを感じさせない程に惹きこまれましたが)。
著者の作品のほとんどは読んでいるんだけれども、ここ最近は、自分の中ではヒットがなかったので、久しぶりの会心の作品だったので、続編になる本作にも期待をしていたのですが、いい意味で期待を裏切る形。
そもそも続編と言えるけれども、内容が全く違う。
いや、同じ国を取り上げているし、登場人物も同じ人が出てくる。
それでも全く違うように思う。
前作は、政治や社会情勢からを取り上げて、同地の特異的な部分にフォーカスしていたけれども、本書はそうした記述よりも、生活面にフォーカスを当てた感じ。
その場所を良く知るためには、
“言語・料理・音楽”
と言う記述が出て来るけれども、なるほど…と。
確かに、それだけじゃないのかも知れないけれど、そうかも知れないし、面白い観点。
…となると、言語能力が極端に弱いボクはビミョーな感じになってしまいますけれどもね。
ちょっと前半が淡々とした流れのように思えるけれど、1冊通して読むと、前作とは違った読み応えを感じさせる作品になっていると思う。
が…
やっぱり何かが起きるのが、著者の持っている所。
最終章なんかは、サラーっと書いている感じすら受けてしまうけれども、同地に深く入ったからこそ書ける部分でもあるし、そもそも最早、作家が描く旅行記の度合いを通り過ぎている様な内容(元からそうかも知れないけれど)。
でも、著者が描くと、その世界が困難を困難と感じさせないモノになるから不思議である。
こうなると…
第3弾も期待したくなるのだけれど、本書でもキーマンになっているハムディが、同地からいなくなってしまっている現状からすると、少し、難しいのかな?とも。
ただライフワークの様な感じで、これからも同地には付き合われて行くのでしょうし、いつか出版されると願いたいモノです。
それにしても…
読めば読むほど、面白い国だなぁ…とも。
ただ自分が行きたいか?と言われたら、それはそれで疑問符ではあるんですけれどもね。
そもそも、物的な部分や自然として、何がある?と言うのはありますからね。
つまり観光としては、全然、向かないですから。
それにしても、それでも面白い国だなぁ…と思えてしまうのは、やっぱり高野マジックにハマってしまっているからなのでしょうね。
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