道路建設に伴う長期の運休
2022年5月から運休だったJR東日本の「陸羽西線」(新庄~余目間43.0km)が、3年8ヶ月ぶりに鉄道での運行を再開しました。
昨今、台風被害・集中豪雨などの自然災害によるローカル線の長期運休が全国各地で起きていますが、「陸羽西線」の場合は、それとは異なり、「新庄酒田道路」の建設工事に伴う運休。
道路の一部である高屋道路の高屋トンネルが、「陸羽西線」のトンネルと3mほどしか間隔がない場所を掘削する必要があり、やむを得ず鉄道側が運休になったと言う話。
当初、2024年度中には再開予定だったが、老朽化も進む鉄道トンネルの補強を大幅に見直したこともあり、工事期間も延期。
3年8ヶ月と言う異例の長期運休と言う形になった。
運行再開後は、以前と同様の本数がキープされ、上下合わせて18本の運行ダイヤ。
但し、利用が少なかった羽前前波駅と高屋駅は停車せず、全列車が通過扱いになり、両駅については廃止に向けた動きが始まることになるとのこと。
利用は壊滅的な少なさだが…
鉄道による運行の再開。
それ自体は望ましい話だと思うけれど、先行きが明るいかと言われると、そうでもナイ。
1日当たりの利用者(平均通過人員)は、1987年には2,185人がいた。
それが2021年には192人に。
バス代行になった2024年には117人になり、もう激減と言うレベルで、寧ろ、この人数で上下合わせて18本の列車本数を維持しているのが奇跡的なレベル。
大体、こうした需要が激減している路線は、県境を跨ぐ路線・区間であることが多いけれど、「陸羽西線」は山形県内で完結する路線。
まぁ、逆に言えば、内陸部・庄内地方と言う2つのエリアがある山形県の特性と言えばそう言う話でもあるが。
新庄市・戸沢村・庄内町と羽越線に乗り入れて酒田市まで。
ただ沿線の戸沢村と庄内町は人口が希薄。
戸沢村が3,600人程度。
庄内町も18,100人程度。
庄内町は余目町と立川町が合併した訳だけれど、中間部の沿線になる立川町だけで見ると、2005年時点で人口が6,500人。
逆に言えば、「陸羽西線」の価値は沿線を結ぶと言うよりも、新庄~庄内地方を最短で結ぶと言う点にある。
新庄からは山形新幹線があるので、東京~庄内を空路以外ではほぼ最短で結ぶに近いと言うこと。
ただ…
別に特急が走っている訳でもなく、なかなか目立たない存在ですし、そもそも庄内地方に元気がなく、途中の需要も見込めないとなると、やはり今後の利用増は厳しさを感じざるを得ない。
庄内エリアを結ぶ需要をどれだけ増やせるか
どうせなら、この長期運休中に、改軌・電化して、庄内方面に山形新幹線を延伸させるぐらいの奇策を行なっていれば…とは思うけれど、さすがにそれだけの巨額費用は県としても出せないと言う感じだったのかな…と。
寧ろ、羽越新幹線は費用対便益を考えると、ペイする可能性は皆無だと思うので、庄内エリアに新幹線を持ってくるとしたら、最大のチャンスだったようにも思うけれど。
ただ空想話をしても仕方がない。
どれだけ今後、需要を維持できるか。
結局のところ、そこに尽きる。
沿線中間の需要は、今よりも伸びることはないでしょうから、東京・山形・新庄~庄内エリアの需要をどれだけ増やせるか、取り込めるか。
そう言う話になる。
逆に、そう言う使命がある分、まだ他のローカル線よりはマシと言えるのかも…だけれど、現状の利用水準は危機的なレベルなだけに、もうちょっと需要喚起を練って路線の維持に繋げて欲しいけれどもなぁ…
っか今さらだけれど、ライバルになる道路の建設に伴う措置。
よくJR東日本はOKを出したな。
補償を貰った方が運行を継続するよりもプラスだったのだろうけれど。








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