ヌアディボウ、到着!!
太陽が昇って来て、列車が止まった。
太陽が顔を出して朝が来た感じなのは、ブルーシート越しでも分ったんだけれども、一体、何時かが全然分らない。
それでも長く停車している感じがあったので、身体に巻き付けているブルーシートを捲って外を見てみると、貨車の下に何人か歩いている人の姿が見えたので、“ヌアディブ?”と聞いてみると、そうだとのコトですぐに貨車から降りる準備。
まごまごしているとまた出発してしまうかも…と焦って貨車を降りるが、鉄鉱石の上に物資を運んでいたりする貨車があったみたいで、30分近くは停車していた気がするので、そこまで急ぐ必要はなかったのかも(いつの間にそんな物資を載せたんだろう…)。
ポリスが近寄って来てパスポートチェック。
パスポートを手渡す手ももう真っ黒で、全身が黒ずんでいる様な状態で、“着いた~”と言うよりも、ようやく貨車の旅から解放される安堵感で胸がいっぱいになる。
そう、どちらかと言うと、“終わった~”と言う状態。
8:30。
大体、13時間掛かった計算。 8時までに到着出来ればそのままモロッコ入りも選択肢としてはアリだなぁ…なんて思っていたのですが、この時間なので、諦めるコトに。 そもそも洗濯したいし、体をキレイにしたいし(と言うか何処まで自分が黒ずんでいるかすら分っていないし)。ちょっと放心状態でもあるし。
何もない駅から市街地まではそこそこの距離があるので、そのままタクシーに乗り込む。
タクシーの兄ちゃんに、宿情報を教えるものの、要領を得なくて、市街地をグルグル回って、ようやく探し当てた宿にチェックイン。
アイアントレインに乗ってみて
荷物をほどいて、すぐさま黒ずんだモノを洗って干した瞬間に、何だか肩のチカラがストーンと抜けて行ったのが分った。
でも、鉄鉱石の粉塵は身体や服、荷物の至る所に入り込んでいて、1回洗った位じゃ容易に取れなさそうだった。
悪路…と言うか、移動手段としては最悪。
誰だよ、旅人で最初に乗ったヤツは…と思ってしまいたくなる位。
でも、いつかこれが良い思い出に切り替わるかも知れないのだから、旅って不思議。
最悪になればなる程、思い出としては最高になるので(と願っているだけかも知れないけれど)。
特にするコトを考え付かない。 何だかずっしり疲れた。
電源が生きていたので、そのまま音楽を流してまったりと。
ヌアディブにもメロンミルクが売っていて、もちろん、即買。
こんな1日があってもいいよなぁ…なんて思うけれど、アタールでもゆっくりしていた。 この旅、全然、急いでない自分がいます。
まぁ、アフリカで急いだ所でロクなコトにならないだろうし。
ひとまず明日からの移動に向けて、ひたすら休養。
そんな1日に。
思ったよりも風が強い。
その風が潮のにおいを運んでくる。
あぁ、海が近い。
ただそれだけのコトが、何だかムショーに嬉しかった。
ただそれだけのコトなのに、何だかムショーに長距離を一気に移動したコトを如実に分らさせてくれた。
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