CUCとCUP~キューバの2つの貨幣システム
キューバは現在に至っても、社会主義国家。
現役バリバリの社会主義国って、もうこのキューバぐらいしかないのでは…と言えるぐらいに。
なので、地元の人が使う通貨と、旅行者が使う通貨が異なるのが、キューバのややこしい所。
まず旅行者が使う通貨がCUC(クック)。
ほぼ米ドルと等価だけれども、米ドルからの両替には10%の手数料が掛かるので、基本的に、ユーロからの両替が有効的。ATMはナイ訳じゃないけれども、あまりアテにしない方がよくて、基本的にはCADECA(カデカ:両替所)で両替するコトになるが、このCADECAが運が悪いと、長蛇の列が出来ているコトも。日本円も両替は出来るが、レートはあまり宜しくはない。
パッと紙幣を見ると違いが分かりにくいのだけれども、“Peso Convertibles”と書かれているのがCUC。
そして、地元の人が主に使うCUP。
クバーノだったりモネダだったりペソだったりと呼ばれている貨幣。
25CUP=1CUCで計算されるお金で、現地の人も大体、そのレートで計算してくれる。
3CUP札がゲバラの肖像を使っているので知られているけれども、それはこちらのCUPの方(因みに、CADECAに3CUP紙幣の在庫がたくさんあったのか、“3CUPお願い~♪”と笑顔でお願いしてみた所、5枚ぐらい、フツーに手に入れられました。これは完全に記念にお持ち帰りになりましたが…)。
旅行者がCUPを使っても良いのか
基本的にCUC利用の外国人向けのお店と、CUP利用のキューバ人向けのお店。
それがくっきりと分かれているのが、キューバのシステム。
そして何よりも行くまでイメージが付きにくいのが、CUCを利用する店とCUPを利用する店との表示が特にないコトだった。
例えば、定食で20と書かれていた場合、CUCを利用する店だと20ドル強になるのに、CUPのお店だと、1ドルにもならない計算になる訳だ。
分かりにくさハンパない。
でも…
行ってみると、はっきり言って、お店の造りだったり、入っている人でスグに分かる。
まぁ、そりゃそうである。
20ドルと1ドルの違いがあるんだから。
CUCで払うようなお店だったら、こんな感じにフツーの食事にありつける訳です。
そして、逆に言えば、CUPさえ手に入れてしまえば、格安でキューバの旅が出来るコトになる。
何と言っても、定食を食べても、ビールを飲んでも、安い訳だから(品質はこの際、置いておいたとして)。
だが、それでいいのだろうか…と、つい思ってしまう。
CUPであるのは、社会主義のシステム。
キューバで働いている現地の人たちの給料は、もちろん、CUPで貰っている。
それは社会主義と言うシステムで計算された給料だし、貨幣体系だ。
配給が未だに行われていて、政治も1つの政党しかない。
教育費用だったり、医療は無料で提供されている訳だけれども、我々が思い描いている自由が削がれている結果で、成り立っているシステムでもある。
それに乗っかっていない単なる外国からの旅人が、それに乗っかってもいいのだろうか…我々、資本主義社会から来た人間は、本来ならば、CUCで支払うべき社会システムで成り立っているのに、CUPを手に入れ、それで資本の差額を享受してもいいのだろうか。
深く考えてしまうと、泥沼にはまってしまいそうだけれど。
いつかこのシステムは無くなるのかも知れない。
そう言えば、昔は中国も兌換券システムだった。
ボクがビルマ(ミャンマー)に行った時も、まだ強制両替があった。
ビルマの兌換券は使える場所が限られていたけれど(基本的に列車とかぐらいしか使えなかった思い出がある)、このキューバでは、CUCでも旅が成り立つ。
もちろん、旅が安く済めば嬉しいし、経済的にそこまで高望みの旅は出来ない。
だからと言って、ホイホイと甘えてしまってもいいのだろうか…
我々、外国人旅行者が、CUCではなくCUPを使って旅をするコトに、キューバの人は、どんなイメージを持つのだろう…
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