【ダナキル砂漠4日目】延々と続くキャラバンの列

さて…
これでメケレの街に帰る段取りになっていたのですが、最後の最後でちょっと立ち寄った場所が、また何とも言えない幻想的な場所だった。
それが塩の採掘所。

この過酷な環境のダナキル。
酷暑の時期には気温が50度を超える様な、そんな大地。
草も生えないし、蚊だっていない。
そんな環境なのに、人が住んでいる。
人が住んでいると言うコトは、何か仕事になる様なモノがそこにあると言うコトですが、ここの特産は、“塩”です。

塩。

その採掘所にお邪魔しました。

ポツリと周囲に何もない様な場所に合った採掘所。
そこでは、ガッツガッツと、一目散に地面を掘る人の姿が。

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大きな形で一度カットしたら、今度はラクダに乗せやすい様にカットをして行きます。

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長方形へとカットして、そして汚れを簡単に落として行く。
長年やっているからか、とっても流れ作業の様に、滞り一つなく進んで行く。

そしてカットされた塩は、ラクダの背へと乗せられて行く。

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ある程度、用意が出来たら、キャラバンの出発なのだが…

キャラバン…なんて、所詮、遠い昔の話だと思っていた。
でも、ここダナキルでは、未だに現役なのだ。
そう言えば、メケレの街からここに車で、たびたびラクダの群れを見たけれども、こうして改めて見ると、壮観すぎる程に壮観だった。
メケレからここまで、車だったら、半日も掛からないで来るコトが出来る。
トラックで来ようと思えば、何とか来れる様な、そんな道のりだ。

だけれども、ここの主役はラクダ。

延々と長い道のりを歩いて運んで行く。

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Caravan-モノを運ぶと言うコト

何処までも続くかのような、長い隊列。
かつてはこうして人の手・動物の手の運搬が当たり前だった。
それが今は、トラックによる大量輸送が当たり前の世の中だ。

モノを運ぶ。
モノを手にする。

それは本来、労力を要するモノ。

当たり前のように、モノを出したらそれがきっちり届く。
しかも即座に届く。

それが当たり前のご時世だけれども、本来はそうした当たり前のコトも、当たり前で済ますのではなく、感謝して行かなければならないコト。

もちろん、このダナキルのキャラバンだって、いつまでもラクダのキャラバンが生きて行けるとは思えない。
大量輸送は時代も人も求めているコトだから。

ただここの人達は、きっとそうしたトラックを手にするだけの資金がそもそもナイ。
つまりはこのキャラバンがなくなる時は、ココの人達以外の資本が入る時だろう。

そうした時に、ここの環境は、どこまで変わってしまうのだろう。
今、キャラバンで塩を運んでいる人達は、職を失うかもしれない。
そうした時に、この過酷な大地に住み続けているだろうか…

そうしたコトすら考えてしまった。

ノスタルジーだけじゃなく。

でも、この大量輸送が当たり前の現代に出逢えた、このキャラバンの長い列の姿。
何処までも続くかのようにすら見えたこのキャラバンの姿を、ボクは、忘れるコトは出来ないだろう。

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