空路・海路は審査、陸路は審査なしに!
イベリア半島南東部。
海の向こうはモロッコと言う位置にあるジブラルタル(実際は、対岸のセウタ自体はスペイン領ですが)。
スペインも領有権を主張しているが、現状は、英国の海外領土。
このジブラルタルとスペインとの間の国境にあったフェンスが、完全に撤去され、2026年7月15日00:00から欧州連合(EU)と英国との間において結ばれたジブラルタルにおける協定において、新たにこの国境間での移動の自由が実現しました。
これまではスペインとの陸路国境では、国境管理がなされていましたが、この国境管理が実質的に廃止。
空路・海路では、ジブラルタル(英国)とスペイン両国の入国審査が行われると言う形で、ざっくりと言ってしまえば、ジブラルタル自体が、EUのシェンゲン協定の域内に組み込まれると言う感じ。
一方で、ジブラルタル当局は、出入国地点や、地域全域にライブ顔認証カメラを設置。
警察の増員と共に、税関や沿岸警備隊の体制も強化されることに。
英国が2020年にEUから離脱した際、このジブラルタルとEU間の関係は、未解決のまま残された形で、長年、協議が行われてきたが、ようやく合意に達したと言うこと。
通勤でも旅でも、より便利になるのは確実
ジブラルタルは人口が約38,000人程度。
だが毎日、スペインから約15,000人が働きに来ていたと言われている。
15,000人は、ジブラルタルの労働力の約半分に達する人数であり、相互に依存している関係になっていたが、仮に、この協定が結ばれることがなければ、ジブラルタル~スペイン間では、厳格なパスポート審査を伴う陸路国境になる可能性があった訳で、ひとまず、こうして国を跨いで働いている層には朗報と言えそう。
ただあくまでもスペインは領有権を主張しているので、今回の国境に関する協定は、主権を巡る問題自体を解決した訳ではないけれど。
旅人としても、スペインからモロッコに行く場合、ジブラルタルで審査、さらに海を越えてスペインのセウタで審査。
そしてモロッコに入る…と、やや手続きが面倒な感じだったが、ひとまずジブラルタル入域での審査がなくなるのは、朗報と言えそうですね(ただ面倒ならば、スペイン本土側のアルヘシラスからセウタやモロッコのタンジェにも船が出ているので、ジブラルタルを通らなくてもアフリカには渡れるけれど)。
やはり英国の海外領土は、今も強い
それにしても…
ジブラルタルは、今も昔も中仲介の出入り口に位置する戦略的な要所。
ここを通過しない限り、海路で大西洋~地中海は往来ができない。
いくら平和な時代になりつつあり、そして戦いのやり方も変わって来たと言えど、この場所を英国が手放す訳がない。
かつての大英帝国は見る影もないけれど、やはりこうした要所を未だに確保しているのは、英国の強さ。
地図上で見ると、ホントに小さくて、あるのかないのかすら不明なほどの大きさでしかないけれど、面積的な価値よりも、その地理的な価値が戦略上、非常に大きな場所に、まだまだ拠点があるんだな、英国は…と、改めて思う話題。
スペインが領有権を主張していても、さすがに返還する訳がない。
ただその対岸のセウタはスペイン領だが、モロッコはセウタ・メリリャの領有権の返還を訴えている。
もうどっちもどっち…
そんな感じもするけれど、歴史のひずみが今もまだ国と言う形で残ると言うことですね。







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