国際・貨物・LCC・マイルが成長の柱
「JAL」が、JALグループ経営ビジョン2035を発表しました。
今までのJALの経営計画は、5ヵ年ごとに加え、ローリングプランと言うスタイルでしたが、今回からは、10ヵ年計画+単年度計画と言うスタイルに変更し、抜本的な経営計画と単年度計画による柔軟性と言う形に。
まず、中東・ウクライナ情勢などを筆頭とする外部環境変化に強いポートフォリオを目指すとして、2035年度までにEBIT(利払い・税引き前利益)を3,500億円にすると言うのが計画の目標値で、2035年度までにLCC・マイル・金融などの利益で半分を確保するとして、フルサービスキャリア以外の事業を強化する方向性。
その中で大きな変革は、こんな感じ。
- 国際線路線の成長(フルサービスキャリア・LCC・貨物)
- マイル事業能勢町
- 国内線事業の改革
具体的な感じは、こんな感じ。
国際線の強化
成田空港の発着枠拡大を機に、JALの機材は中長距離機材を増加させると共に、機材の大型化も推進。
中長距離向け機材は、国際線機数の構成比の90%に(2030年度には合計99機の内、89機、2035年度には105機の内、95機)。
またビジネスクラスの個室化を推進して行くコトに。
ZIPAIRについては、現行の8機体制から、2030年度には機材数を倍増させる計画で、さらにフルフラットシートの拡充を実装。
高速Wi-Fiを搭載して、よりサービスにも磨きをかける計画。
短距離国際線としては、スプリング・ジャパンとジェットスター・ジャパンの2社を擁するが、ジェットスター・ジャパンについては、新ブランド化。
両社ともに成田拡充とともに、国際線の規模を拡大させていく計画。
国内線の構造改革
国内線は、2027年4月から燃油サーチャージの導入を計画していることを発表に。
元々、燃油サーチャージの導入は、話題にはしていましたが、実際に計画を明記したのは、初(ただ既に国内線ではFDAが導入済みなので、別にJALが初と言う話ではない)。
新機材の導入で400億円、ANAとの空港での協業などで100億円、需給バランスの改善などで100億円の改善を行ない、2028年度以降は、利益率10%の達成を目指す形。
マイル事業の成長
まず大きな柱は、JALカードの決済高を現行の1.5倍に伸ばし、キャッシュレス経済市場の成長を確実に捉えていく計画。
さらにマイル・提携ポイント交換によるマイルの発行数を2倍に。
そして特典航空券に並ぶ魅力ある特典を拡充させていく構えが新たに。
非航空領域でのマイル発行収入は、2025年度で1,100億円分。
それを2030年度には1,900億円にまで伸ばすと言う形。
JALにしては、野心的な経営計画
「ANA」も同じように事業計画を発表している(こちらは3ヶ年計画)。
「ANA」も成田拡張を見据え、国際線の拡充を鮮明にしているが、その他の部分では「JAL」の方が一歩踏み込んだ形になっている。
まず大きいのは国内線での燃油サーチャージ導入が明記されたこと。
現状、国際線しか対象になっていないものを、国内線にも広げると言うこと。
利用者的には実質的に負担増となる訳だが、燃油が高止まりしている状態に加え、為替レートも円の弱さが目立つ中では、正直、厳しいのでしょう。
距離制での回収になるのかどうか。
韓国線だと片道3,000円(現行)。
これが1つの目安にはなるけれど、仮に沖縄まで片道3,000円となると、正直、かなりの負担にはなる。
ただ羽田から考えると、ソウルよりも那覇の方が遠い訳で、そうなると、ソウルの方が高いとなる理由もないけれど…

続いて成長分野としては、引き続き、マイル事業を上げて来た。
「ANA」は3ヵ年計画では全く触れなかった領域だが、「JAL」は引き続き、成長を見据えると言う形だが、ここにきて「JALカード」の増強を謳ってきた。
現状でも「JALカード」は1人当たりの決済高が非常に高いと言われているカードだが、それを1.5倍にすると言うのは、なかなか野心的。
さらに2倍のマイルの発行数を見据える展開。
そうなると、逆に、マイルが溢れる展開になる。
つまりは特典航空券での座席確保が厳しくなる計算。
まず2倍のマイル発行数と言うのが、現実的なのか…と言うと、単体では厳しいが、提携によっては可能と見るのでしょう。
地方創生領域で「JR東日本」「JR西日本」との繋がりを模索する中で、この辺りの提携がマイルを含めたものになるのであれば、十分に視野に入るのだろう。
ただこれによってマイルがやたらと増えると言うことになり、特典航空券による航空券の手配が難しくなることは、容易に想像ができる。
「JAL」としては、成田発着の航空路線の拡大と、特典航空券以外の特典拡充で、乗り切る方向だが、はたしてうまく行くのか…と言う気はしてしまう。
2026年度の計画は、増収減益
この計画を踏まえ、2026年度の計画は、売上収益は+950億円の2兆950億円(+4.8%)。
但し、EBITは2,050億円が1,800億円にダウンするが(ただし、特殊要因を除くと実質的には増益)、年間配当は96円で据え置きの予想。
セグメント別では、やはりフルサービスキャリが圧倒的に売り上げが立っており、そこを貨物・マイルが横並びで追いかけ、LCCが遅れて追いかけると言う形なのも変わらず。
気になるのは、「ZIPAIR」の旅客収益が+16.0%になっている点。
現状、8機体制。
だが、マニラからの撤退がある「ZIPAIR」。
年度の後半になってくると、次の機材の導入が見えていると言うことなのだろうか…
そして、為替レートの予想は150円でシンガポールケロシン市況予想は90ドル。
これが今回の予想の前提条件。
為替レートが145円に振れれば、100億円も変わる想定なので、まずはここが大きいんですよね、航空業界は…







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