熊本空港アクセス鉄道、空港駅は敷地外への設置案

絶好調の熊本空港にアクセス鉄道

熊本県が、JR豊肥線の肥後大津駅~熊本空港を結ぶ空港アクセス鉄道のルートの絞り込み案を発表しました。

これによると、肥後大津駅から分岐して、国道57号を高架で横断し、空港がある高遊原台地にトンネルを設置し、途中、大津町内に行き違い設備を備えた中間駅の設置を検討し、熊本空港の南側の地上に駅が新設されると言うモノ。

約6.8kmになる見込みで、2027年度に着工。
2034年度末までの開業を目指し、概算事業費は約410億円だが、物価高騰を踏まえ、9月の定例県議会で改めて事業費を示すと言う内容。

熊本空港は、昨年度はかなり実績が良く、利用者数が現在地に移転した1971年以降では過去最高の約370万人。
特に国際線は、前年度比格で2倍以上の約48万人で、現在は5路線週39便が運航中。

さらに2025年3月期の連結決算では民営化後、4億4,800万円の営業利益を計上し、民営化後としては初の営業黒字を達成(但し、純利益は3億5,300万円の赤字)するなど、かなり上昇基調なだけに、このアクセス鉄道の開業で、その流れをより確かなモノにしたい感じはしますね。

懸念は駅の位置と豊肥線のキャパ

気になるのは、まずは空港側の駅の位置。

今回のルート案で上がった駅の位置は、空港の敷地外である南側の地上への設置で、ターミナルへの乗り入れではない案。

これに対して、県は、益を空港の近くに寄せるとなると地下駅となるが、後方的にも費用が掛かり、事業費が約150億円以上、上振れするとのコトで、ギリギリ収支が見込めるレベルの現状だと、150億円の上振れは厳しいところなのでしょう。

空港のターミナルビルから空港南側の県道までの距離が約120メートルとのコトで、新駅はこれより南側に設けられる案なので、さらに距離があると言うコトに。

ただこの程度ならば、なんとか…と言う感じがしなくもない。

もう1つ、気になるのは豊肥線のキャパ。

単線ながら需要が強い路線になっている豊肥線。
空港アクセス鉄道ができれば、現状の肥後大津駅どまりの列車をそのまま引き込む形にはなるのだろうが、そもそも混雑が著しい路線でもある。

空港アクセスと通勤輸送はできれば分けて欲しいと言うのが、利用者側からすれば本音だが、既に増発は難しい状態なだけに、常時4両編成化などが実現するのかどうかは気になるところかなぁ…と。

ってか、そもそもJR側にその気があるのかな?と言う感じ。

空港アクセス鉄道がもっと増えると便利なのだが…

気になる要素がない訳じゃない。
ただやはり空港へ鉄道でアクセスできると言うのは、旅行者側からすれば魅力的な要素だし、便利なだけに、早期の実現へ進んで欲しいと思うばかり。

九州の空港は、既に、福岡と宮崎空港が鉄道でアクセス可能。
そこに熊本が加わってくる可能性が大だけれども、これが成功して他に続く動きが出てくればいいけれど。

肥薩線と鹿児島空港。
大村線と長崎空港。
日豊本線などと北九州空港。

どれも近くを走っているだけに実現して欲しいけれど、長崎と北九州は、もうちょっと需要が伸びないと厳しいだろうし、鹿児島は肥薩線だしターミナルとは逆だしなぁ…

九州じゃないけれど、伊丹も阪急が重たい腰を上げて空港線を作って欲しいのだが、全然、動きがない。
山口宇部空港なんて空港前に駅があるのに、いまだに空港アクセス鉄道としては力が入っていない。

羽田はJRが乗り入れるコトになるし、成田は京成がスカイライナーの増強と押上発着の特急新設を打ち出して、動きがあるのは有難いけれど、もうちょっと各地の空港も鉄道によるアクセスを考慮すればいいのに…と、改めて思ったり。

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