シンガポールが拠点のLCCの老舗だが…
シンガポールを拠点にするカンタスグループのLCCである「ジェットスター・アジア航空」が、2025年7月31日を以って、事業を終了するコトを決定しました。
事業終了の理由は、サプライヤーの調達コスト上昇・運航コストの高騰・競争の激化が挙げられ、今後もビジネスの持続が不可能であると判断したと言うコト。
運航終了までの期間、段階的に運航規模を縮小させ、運航終了以後のフライトの予約を持っている人には払い戻しを行ない、一部の路線では空席状況に応じて、カンタスグループの代替便を用意。
シンガポール在住のClub Jetstar会員の年会費は返金になる見込み。
13機保有している機材については、カンタスグループへ配備し、オーストラリア・ニュージーランドでの事業に充てられるが、500名以上の従業員に関しては、グループもしくはシンガポールの他の航空会社へ可能な限り、雇用機会を提供するとのコト。

「ジェットスター・アジア航空」と言えば、2003年創業。
2005年に「バリューエア」と統合したアジアのLCCでは老舗の存在。
「ジェットスター・ジャパン」と、本家の「ジェットスター」とは別会社で、両社とも今回の事業終了の影響は特に受けないと言う話ではありますが、「ジェットスター・アジア」は関空・那覇線も飛ばしているコトから、日本における「ジェットスターグループ」の力がまた落ちると言うコトにはなりそうです。
ジェットスター・ジャパンは生き残るが…
最近、縮小感が著しい「ジェットスター」グループ。
かつてはベトナムを拠点に「ジェットスター・パシフィック」もありましたが、ベトナム航空へと売却し資本から撤退。
香港を拠点に計画していた「ジェットスター・香港」は、営業認可が下りず、就航しないまま終了。
と言うコトで、今後は、本家の「ジェットスター」とJAL傘下の「ジェットスター・ジャパン」の2社だけが“ジェットスター”の名前で飛ぶLCCに。
こうなったら、気になるのは、「ジェットスター・ジャパン」の今後。
“ジェットスター”の名前を使ってはいますが、実際の資本構成はJALが50%を出資していて、カンタスグループは33%。
もう“ジェットスター”にそれほどのネームバリューがあるとも言えないでしょうし、これを機にJALの完全子会社化を含めて検討すべきタイミングになっているようにも。
カンタス・ジェットスターからの送客も、そこまであるのかな?と言う気もしますしね。
それにしても…
「ジェットスター・アジア航空」の事業停止とは…
カンタスグループとしてシンガポールと言うのは1つの拠点になっていたとも思うのですが、競合する「スクート」は機材数が50を超えているのに対して、「ジェットスター・アジア航空」は13機。
しかも「スクート」は機種をいくつか持っていて、需要に応じた機種の選定ができますし、そもそも「シンガポール航空」との協業もできます。
もう勝ち目がないと言う状態だったのでしょう。
既存予約は予約管理から返金手続きへ…
7月31日を以って運航終了。
倒産でもない訳ですが、事業終了ならば、残りあと2ヶ月弱と言うのは、適正なのかな…とは。
ただ返金措置が取られると言ってもこれから新たに航空券を見つけなければならなくなる訳で、結構、痛いタイミングではありますね。
豪州~シンガポール間のフライトであれば、カンタス航空のフライトによる代替が期待できますが、それ以外となると望み薄。
日本からのフライトだとやはり返金で終わるかな?と。
一応、事業終了後の予約分に関しては、「予約管理」ページからスグに返金手続きを確定できるとのコト(ただいつ返金が実施されるかは不明)。
またバウチャー残高を持っている場合の返金は、8月以降に連絡が始まるとのコトなので、こちらも実際に返金措置が実施されるのがいつになるかは不明です。
近年はあまり話題も聞かなくなっていましたが、アジア圏のLCCでは老舗ですし、一時はエアアジアグループと対をなすような存在になりそうだっただけに、グループから東南アジア圏の航空会社がなくなってしまうのは、ちょっと寂しい感じもしますね。
コメントを残す