中期経営計画は成田空港アクセスの強化が鮮明
関東の大手私鉄の「京成電鉄」が、2025~2027年度の中期経営計画「D2プラン」を策定し、発表しました。
この「D2プラン」は、2022~2030年度までの長期経営計画「Dプラン」の第2段階と言う位置付けで、これまでにグループの経営体制を刷新し、バス・タクシー・茨城県内のグループ会社を再編。
さらに新京成電鉄を吸収するなどを行なってきました。
今回、策定された「D2プラン」で目立つポイントは、以下の3つ。
- 次期スカイライナーの検討
- 新型有料特急の導入
- 成田空港周辺の単線区間の複線化
成田空港アクセスの強化をかなり打ち出した内容で、それ以外は運輸事業に続く第2の柱として不動産事業の強化が謳われているぐらい。
成田空港自体も、2025年10月にも発着容量が年34万回になり、2028年度末にはB/C滑走路などの供用開始が予定されているほか、2030年代にワンターミナルの新ターミナルの供用が計画されていて、これらの機能強化が実現されると年間の発着容量は50万回になる予定で、比例して旅客数も伸びると見られているコトから、それに対応する計画と言えそう。
新型スカイライナー・押上・複線化…
まずは次期スカイライナーの検討。
まだ現在のスカイライナーである「AE形」がデビューして、そこまで古くはなっていないような気もするが、この「D2プラン」の期間内でデビューするのではなく、次に向かって…となると、確かにそろそろ準備をする段階と言えそう。
現在のスカイライナーは、8両編成で最高速度が160km/h。
成田スカイアクセス線の開業とともにデビューした車両。
基本的な性能は、この現行車両を下地にするコトになるのかな…と。
さすがにこれ以上は速度も上げられないですしね。
ただ2029年3月完成予定で宗吾車両工場が建て替えを行なっており、9両編成化に対応できる施設になるため、新型車両も9両編成になるのでしょう。
9両はちょっと中途半端な感じもしますが、京成上野・日暮里駅のホーム有効長と合わせて考えれば、10両になると投資額が大きくもなると言う話なのでしょう(上野・日暮里は9両対応)。

次期スカイライナーよりも早くにお披露目となりそうなのが、新型有料特急。
スカイライナーは、京成上野~成田空港間を走る特急だが、都心部に向かおうとすると、やはりJRへの乗換頼みになる。
そこで押上線からの乗客を拾うべく、一部の列車で青砥駅に停車させているが、押上~成田空港を結ぶ新型有料特急を走らせると言うモノ。
現行の成田スカイアクセス線経由のアクセス特急だと、押上~成田空港間は51~67分。
青砥停車のスカイライナーを利用すると、約45分。
どこまで速達性があるのかは不明だが、都心部方面へのアクセスを打ち出すと言うコトになるのでしょう。
ただ成田スカイアクセス線の成田湯川~成田空港間の約7.2kmが単線区間で残るのが、ボトルネック(途中、行き違いが可能な信号場はアリ)。
しかも、「成田スカイアクセス線」と言うモノの、構造は複雑で、
・京成高砂~小室…北総鉄道
・小室~印旛日本医大…千葉ニュータウン鉄道
・印旛日本医大~成田空港高速鉄道接続点…成田高速鉄道アクセス
・成田空港高速鉄道接続点~成田空港…成田空港高速鉄道
かなり複雑である。
そして費用もなかなかなモノで、どう工面して行くコトになるのか…と言う感じ。
さらに成田空港自体、ワンターミナルになる予定で駅も移転が計画される訳だが、そもそも現行でも成田空港駅はキャパが足りていない気もするし…
羽田よりも横浜へ乗り入れて欲しいが…
成田の機能強化に対応する意欲的な中期経営計画。
特に押上線への新型有料特急導入は、ちょっと気になる話ではありますね。
ただ押上駅自体、広い駅でもないし、そもそも押上まで走らせるならば、都営浅草線に乗り入れて欲しいと言うのが本音ですが。
まぁ、この辺りは都営側の意向なのでしょうが。
都営に乗りれれば、その先、京急への乗り入れが見えてくる。
となると、成田~羽田間の特急運行も見えてくると言う話になりますが、個人的には、そもそも空港間での利用がどれほどあるのだろう…と言う気はします。
確かに地方からくれば便利は便利なのでしょうが、絶対数的にそこまで多いのか?と言うと、微妙な感じも。
それならば京急へは横浜方面に乗り入れた方が確実な乗降が見込めるようにも思うんですがね。
まぁ、ともかく都営側が乗り入れを認めないと、話は押上げで終わってしまう訳ですが。







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