全てのセグメントで増収増益
ANAに続き、「JAL」も2025年度3月期の連結決算を発表しました。
ANAの決算は、売上高が過去最高となる2兆2,618億円に達し、最終黒字も1,530億円を確保(前年度からは微減)したと言う内容でしたが、「JAL」の決算も、売上収益は再上場後、最高になる1兆8,440億円、当期純利益も1,070億円と言う内容で、全てのセグメントで増収増益に。
具体的な数値で見て見ると、こんな感じ。
2025年度3月期 | 前年度比 | 2024年度3月期 | 2019年度3月期 | |
売上収益 | 1兆8,440億円 | +11.6% | 1兆6,519億円 | 1兆3,859億円 |
営業費用 | 1兆6,934億円 | +9.8% | 1兆5,422億円 | 1兆3,088億円 |
EBIT | 1,724億円 | +18.7% | 1,452億円 | 888億円 |
純利益 | 1,070億円 | +12.0% | 955億円 | 480億円 |
売上収益の中で、航空事業の収益を見て見ると、旅客収入が国際+国内事業の合計で1兆2,678億円。
物価高・円安・人件費増と言う時代の流れの中で、売上の増加より費用の増加が下回り、しっかりと増益も確保。
好決算と言う内容を受けて、期末配当は1株当たり46円とし、年間配当は1株当たり86円で、増配(配当性向35%)。
また今期は、売上収益1兆9,770億円、EBIT2,000億円の増収増益の見込むことが発表になりました。
国際線・国際貨物・LCCが絶好調!
各セグメント別の状態(売上収益)を見て見ると、こんな感じ。
2025年度3月期 | 2024年度3月期 | 対前年度比 | |
国際旅客 | 6,963億円 | 6,223億円 | +11.9% |
国内旅客 | 5,715億円 | 5,508億円 | +3.7% |
国際貨物 | 1,233億円 | 1,003億円 | +22.9% |
LCC|ZIPAIR | 685億円 | 540億円 | +26.8% |
LCC|SPRING | 203億円 | 132億円 | +53.2% |
国内線は辛うじて前年を上回ったと言う感じと言えそう。
ANAが+9.2%だったのと比べると、やや物足りないけれど、路線数と機材の大きさから考えると、もうこれ以上は伸ばしにくく、既に有償座席利用率も78.9%になっている。
タイムセールを頻発している割には、単価が+0.8%。
つまりは繁忙期などを中心に、かなり単価を下げていないと言う感じなのでしょう。
一方の国際線も、さすがに伸び率は鈍化しているけれど、それでもまだ1割以上の伸び。
旅客数も+11.4%と堅調で有償座席利用率も+5.3ポイントの83.9%と、80%を超えて来たのが凄い。
ZIPAIRは、+26.8%の685億円。
有償座席利用率も84.8%(+6.9ポイント)になり、さらに単価も50,565円(+5.7%)と、50,000円越えなのは、長距離路線が多いからなのでしょう。
中国方面とごく僅かな国内線を運航するSPRING JAPANは+53.2%と一気に盛り返し、黒字化。
有償座席利用率も+8.9ポイントの79.0%と80%目前にまで迫る状態まで持ってきた1年で、LCC部門は2社ともに堅調と言う感じの内容。
ただピーチの売上高は1,393億円。
JAL傘下の2社は合わせても888億円なので、まだまだと言う感じ(とは言っても狙っている路線や顧客層も異なりますが)。
今年の目玉はJTA
「JAL」としては、ANAと比較すると数字的には物足りなさもあるかも…だけれども、かなり力強い決算内容だったように思える。
ただこの流れが持続できるか?と言うと、国際線は次の手は2025年4月からのガルーダ・インドネシア航空との共同事業ぐらい。
ボーイングB787-9型機10機とエアバスA350-900型機20機の導入は、2027年度以降なので、今年と来年は、そこまで派手な動きがないのかもなぁ…と。
まぁ、一番の目玉は、「JTA」初の国際線開設(那覇~台北線)でしょうね。
となると、非航空事業がどこまで伸ばせるのか…と言う感じになる。
JALモバイル・JAL NEOBANKプレミアム・JAL JCBカードプライムProと、矢継ぎ早に新商品が出ている感じがある。
個人的には、銀行・カードがあるのだから、あとは証券が欲しいところなのだけれど、どうなんだろうな。
JAL NEOBANKも直営ではなく、結局のところ、協業ですしね。
ここに証券を入れるとすると、SBI証券になる訳だけれど、なかなかそこまで手を広げるのも…と言う感じなのかも知れない。
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