39年連続の赤字!
岐阜県の美濃加茂市~郡上市を結ぶ第3セクター鉄道の「長良川鉄道」が、一部区間の廃線を検討しているコトが、関市議会で明らかになりました。
関市の山下市長が、2025年3月3日の市議会で、
今のままでは存続が危うい。必要な部分を残すために、一部の地域の廃線も視野に入れながら構築をしていく
と表明しました。
この山下市長は、「長良川鉄道」の社長も務めているので、廃線論議が出ているのは確実。
2023年度の収支は、3億6,615万円の赤字。
それに対して、関市・郡上市などの沿線5市町で約1億4,500万円の補填をしている状態。
観光客向けの施策に打って出たコトもあり、赤字幅は一時期、縮小傾向にありましたが、そもそも運営している越美南線は路線長が72.1kmと長く、それに従って赤字額も大きなモノになり、開業以来39年間、赤字を計上している状態で、今後、予断を許さない感じです。
対象の区間は…?
元々は福井(越前花堂)~九頭竜湖を結んでいるJR西日本の越美北線と繋がり、1本の路線になる予定だった越美南線。
ただ建設計画は中断し、結局、2つの路線が繋がるコトがなく、距離が長い盲腸線になっている「長良川鉄道」。
ただ仮に2つの路線が繋がっていたとしても、岐阜~福井間の県境は需要がほぼないでしょうし、高速化に対応している路線でも電化路線でもないですから、そこまで需要があったとは思えないですけれどもね。
第3セクター後、かなり乗客数も減っているが故に、今回の話題に繋がっている感じですが、沿線には高速道路もでき、今後に明るい話題があまり出てきていない感じも。
廃線の対象になる区間は、現時点では特に明らかにされてはいませんが、末端の美濃白鳥~北濃間は可能性が高そうですね。
仮に踏み込んだ場合は、郡上八幡~北濃間と言うコトになるのかな…と。
美濃白鳥~北濃間は需要が特に少ない区間ではありますが、路線長もそこまである訳ではなく、この区間を廃止しても、大きく収支改善するとは思えず。
ただ郡上八幡~北濃間だと、廃線になる区間がかなり長く、現状は、72.1kmの路線長が46.9kmにまで短くなります。
地元が盛り上がるかどうか…
観光客が増える要素はある路線だとは思うが、収支が大きく改善するか?と言われると、ちょっと疑問符。
投資をすればある程度のリターンはありそうだけれど、投資に見合うだけの需要があるか…?と言われると、正直、微妙なのだと。
関市・美濃市までは需要があると思うが、その先、郡上市までとなると、需要はやはり弱いし、そもそも自社線内で完結しているのも、なかなか需要が増えない要因のように思う。
せめて岐阜。
できれば名古屋まで、有料特急があっても良いように思うけれど、さすがに2両編成以上で有料特急を走らせるだけの需要があるか?と言われると、難しい感じでしょうし。
まだ議題として挙がったぐらいなのかも知れない。
攻めの廃線とは言えそうですが、はたして対象区間がどこになるのかな…と。
また仮に今回、廃線案がスルーになっても、予断を許さないのは事実。
今後、地元の方が中心になって乗車運動が起きるかどうか…
でも、そもそも人が少なくなっているので、やっぱり厳しいよなぁ…と。
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