ブラジル、ゴルとアズールが統合に向けて前進へ!

ゴル・アズール・アビアンカが結びつくか?

3大ブラジル航空業界の中の「アズール・ブラジル」(Azul)と「ゴル」(Gol)の株主である「アブラ・グループ」(Abra)が合併に向けて合意したコトを明らかにしました(「アズール・ブラジル」と「アブラ」間は法的拘束力のない合意)。

既に「アズール・ブラジル」と「ゴル」については、2024年5月からコードシェアを実施中。
今後、「アズール・ブラジル」と「ゴル」が合併するためには、ブラジルの独占禁止法当局の承認が必要になります。

「アズール・ブラジル」は、2008年に運航開始したやや新しめの航空会社ですが、ジェットブルーやウエストジェットなどを手掛けたデイビッド・ニールマン氏が立ち上げた航空会社。

一方の「ゴル」は、2001年に設立された航空会社。
その後、スターアライアンス加盟航空会社であり、日本路線も運航していた「ヴァリグ・ブラジル」を買収するなど、勢力を拡大して来た航空会社。

ただ現在は、経営再建の真っ只中で、連邦破産法第11条に基づく経営再建計画を遂行中だったりします(計画では5月に完了予定)。

その「ゴル」がコロンビアを中心とした「アビアンカ・グループ」と設立したのが、持ち株会社の「アブラ・グループ」。

つまり今回の経営統合は、「アビアンカ・グループ」「ゴル」と「アズール・ブラジル」が大きく結びつく形になります。

LATAMの対抗馬として足場が固まる

南米だけで見てみると、やはり大きいのは、「LATAMグループ」。
元々はチリのLANを中心に各国に子会社があったLANグループと、ブラジルのTAMが統合してできたグループな訳ですが、チリ・ブラジルを中心に、アルゼンチン・ペルーなど、地域子会社も健在。

対抗馬としてコロンビアのアビアンカがある訳ですが、こちらは中米のタカグループと統合。
ブラジル子会社である「アビアンカ・ブラジル」の撤退や、経営再建などもあり、なかなか順調な感じでもなかった気はしますけれどもね。

ただコロナ禍後は、黒字に転換しているので、今が攻め時と言う感じなのでしょう。

実際に、南米で見ると、「LATAM」に対抗するには、ブラジルを抑えるのが手っ取り早い感じで、既に「ゴル」があるので、「アズール・ブラジル」と統合できれば、LATAMと対抗しトップシェアになりますからね。

ただ正直、南米の航空会社って、迷走中と言うイメージでしかない。

「LATAM」はワンワールドを脱退してデルタ航空と提携。
ただスカイチームには加盟していない状態で経営再建中。

「ゴル」はアメリカン航空との提携があったが、解消。
そして再度、アメリカン航空と提携しつつ、経営再建中。

「アズール・ブラジル」も元々はジェットブルーに近い感じだったが、今やフルサービスのエアラインと化しているし…

「ゴル」はボーイング737シリーズで統一されているが、「アズール」はエアバスとエンブラエルがメインで、機種も被らないし、どこまで統合効果があるんだろう…?とも。

出遅れるワンワールド

でもこの統合が実現すると、南米は確実に2強時代になる。
その他でめぼしい航空会社となると、スカイ航空ぐらいだろうか。

ただスカイ航空と上位2グループとだとかなりの差がある。
広い南米大陸なので、2グループより3グループで拮抗した方が良いようにも思うので、スカイ航空には踏ん張って欲しいけれど。

で、アライアンス的に見ても、さらに良く分からなくなる。

「アビアンカ」はスターアライアンス加盟航空会社。
「ゴル」はアメリカン航空と近い航空会社。
「アズール・ブラジル」はユナイテッド航空やTAPポルトガル航空と提携がある航空会社。

「ゴル」と「アズール・ブラジル」は統合してもそれぞれのブランドは維持する構えだが、マイレージプログラムは共通化する計画なので、アビアンカが加盟している以上、スターアライアンスが優位になるのかな…?と言う感じがしなくもないが、実現すると、ワンワールドは南米での提携先がかなり絞られる感じになりそう。

続くスカイ航空は、LCCなので、残っているフルサービスキャリアがほぼない感じ(ボリビアぐらい…?)。
元々、南米は「LATAM」が加盟していたからワンワールド一強だったんですけれどもね。

まぁ、「LATAM」はアメリカン航空以外のワンワールド加盟航空会社との提携は残っているけれど。

Sponsored Link



コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

This site uses Akismet to reduce spam. Learn how your comment data is processed.