事故にストライキで、大きく納入機数が減少
2大航空機メーカーの1つである「ボーイング」が、2024年の民間機の年間納入機数が、348機(前年比▲180機)だったコトを発表しました。
2023年との実績で比べると、34%減。
B737 MAX 9のドアプラグ脱落事故、さらに7週間に及ぶストライキによる生産停止などが影響したモノだと思われますが、コロナ禍以後では最低の数字に落ち込むコトに。
また発注取り消しなどを差し引いたネットベースでの受注数は、377機。
こちらは前年の1,314機から急減するコトに。
既にこの5年間、ライバルである「エアバス」が上回っている形だが、2024年も「エアバス」の納入数は766機でネット受注数が826機で、6年連続、「ボーイング」は「エアバス」を下回る形に。
納入機の内訳は、こんな感じ。
- ボーイング737…265機(前年396機)
- ボーイング747…生産終了(前年1機)
- ボーイング767…18機(前年32機)
- ボーイング777…14機(前年26機)
- ボーイング787…51機(前年73機)
ボーイング737が今年もメインですが、2023・2022年と比べると、かなり落ち込んだ形。
ボーイング787も2022年よりは20機プラスにはなっていますが、前年から比べると22機の減少と、やはりどの機種もパッとしない納入数になった形ですね。
ただ10月は14機、11月は13機だった納入数が、12月には30機に持ち直したのは、光でしょうか。
JALですら徐々にエアバス傾斜…?
「エアバス」自体も不具合がない訳ではないですが、それよりも「ボーイング」の信頼度が落ちている感じは否めない。
既に設計が古くなっている機種が多いのも、気になるところ。
ただ737MAXはそれなりに売れている。
さらにこれからも737-800型機からの入れ替えなどもあるので、それなりに売れるでしょう。
ただやはりそれだけでは「エアバス」の勢いは止められない。
結局のところ、777xがどうなるか…と言う感じでしょうか。
JALは現在、長距離国際線機材である777-300ER型機の後継機として、同数のA350-1000を導入中。
ボーイング一辺倒だったJALが「エアバス」の機材を導入したと言うのは、かなり大きな話でしたが、こちらは概ね、順調に導入が進んでいるが、777-300ERは、1機、退役機が出たが、まだ手元に12機を残し、納入遅延が起きた際などに対応できるように余裕を持たせている状態。
2024年7月には、A350-900型機を20機、A321neo型機を11機、正式に発注。
A350-900型機は、2027年度から国際線へ。
A321neoは2028年度から国内線に投入する計画。
一方で、ボーイングへの発注は、787-9を最大20機、正式に発注したが(確定発注10機+オプション10機)、ここでも「エアバス」が競り勝った形。
他に737-800型機の後継機として、737 MAX 8を2026年度から21機、国内線に導入する計画を進めているが、こちらはどれぐらい予定通りの納入になるのかな…と言うのが、正直な感想ですかね。
信頼回復には、まだ時間が掛かるのか?
米国を代表する企業である「ボーイング」。
民間商業機以外にも実績のある企業だし、経営的に傾いたとしても国策としてどうにかせざるを得ない感はあるけれど、それにしても、6年連続で「エアバス」の先行を許すと言うのは、やはり根本的な部分からやり直すべきタイミングのようにも思う。
飛行機は、何かトラブルが起きた時の犠牲が大きい訳で、とにかく安全が第一だが、現状の「ボーイング」はその辺りで信頼感があるとも言い難くなっているし。
中・大型機のメーカーが、「ボーイング」と「エアバス」の2社に絞られている状態なだけに、両社が共に競り合わないと、技術の向上もないですからね。
まずは安全。
その信頼感をしっかりと取り戻して、また新しい機を作って欲しいモノです。
コメントを残す