治安悪化に日本人が戻らず…
フランスの海外領土であるニューカレドニアの「エアカラン」が、成田~ヌメア線からの撤退を決定しました。
最終運航は、2024年8月26日。
成田空港支店は9月30日に、さらに日本支社も10月31日を以って閉鎖し、日本からは完全撤退と言う形になります。
関空~ヌメア線で日本に乗り入れ、その後、成田線を開設した「エアカラン」。
コロナ禍でも成田線は継続されていた訳ですが、ここに来て日本からの撤退。
その理由の1つは、5月に起きた独立に対する抗議活動。
これにより非常事態宣言・夜間外出禁止令が発令されたほか、空港も一時的ながら閉鎖されるなどの状態に。
その際は、成田線ももちろん、運休になった訳ですが、そこから運航再開するモノの、経済状況は悪化したまま。
さらに日本からニューカレドニアを訪れる観光客も、コロナ禍以後、なかなか回復しない状況下にあり、より収益性を見込める路線に注力して行くと言うコトになり、日本からの撤退が決まった形。
「エアカラン」は、日本線以外だと東アジア線がなく(韓国・中国・香港線も既に撤退済み)、今後、日本からニューカレドニアを訪れるとなるとシンガポールかオーストラリア経由が一般的になりそうで、やや時間的なロスが出てしまう可能性が大ですね。
島国の航空会社の経営は難しい…
ニューカレドニアは、日本でもそこそこ知名度のある島だと思うが、やはり島国をベースにする航空会社は、なかなか経営が難しいのが露呈した形。
ほとんどの島国は元々、地元の経済活動はそこまで大きくはなく、さらに人口も多くない(ニューカレドニアは島国ではなく、フランス領ではありますが)。
天然資源が豊富な国が多々、ある訳ではないから、基本的にほとんどの島国の航空需要は観光に頼らざるを得ない訳だけれども、やはり単価の高いリゾート観光客がメインになりがち。
でも高単価のリゾート地で売り出すのに、治安情勢が悪化するのは、致命的な訳で、ニューカレドニアへの渡航客が減るのは理解できる話。
でも、ニューカレドニアの治安面よりも、やはりそれ以上に日本人観光客が戻って来ていないのでしょうね。
コロナ禍ですっかり引きこもり状態になってしまった日本人。
さらにそこに為替レートが海外旅行熱を冷ます形。
別にニューカレドニアに限った話ではないですが、いつになれば海外へ旅行に出る人が増えるのだろう…と言う感じ。
もちろん、これから日本はますます高齢化が進み、人口が減って行く一方なので、いつかは今ぐらいの数字になるんだろうけれど。
ますます近くて行きにくいエリアになるオセアニア諸国
オセアニアの島国。
オーストラリアがメインの入り口になるのは分かる。
その次がシンガポールかグアム。
でもその次ぐらいに日本がゲートになっても良さそうな地理関係だと思うのだけれど、実際、オセアニアの島国への渡航は、日本からだとやはり不便。
フィジーエアウェイズなど、頑張っている航空会社もあるが、いかんせん、規模が小さい。
なので、フィジーエアウェイズのように、多少なりとも規模感が出るようになったら、アライアンスに加盟すると言うのは、妙案なのかも知れないですね。
まぁ、その規模にまでたどり着ける航空会社自体、あまりないのだろうけれど。
「エアカラン」の日本撤退で、ますます近いけれど、行きにくいエリアになってしまうんだろうな、日本からオセアニア諸国は。
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