初の四半期決算で現状が明らかに!
「ANA」などを傘下に抱える「ANAホールディングス」が、2025年3月期の第1四半期決算を発表しました。
売上高は過去最高。
ただし、利益は減少と言う決算内容でしたが、この中で、個人的に注目したかったのが、第3のブランドとしてスタートした「AirJapan」。
その「AirJapan」ですが、第1四半期の期間中の座席利用率が51.9%であったコトも発表になりました。
「AirJapan」は、2024年2月に就航。
現状は、成田からソウル・バンコク・シンガポールの3路線を運航中な訳ですが、四半期決算としては初めての通しで稼働した決算と言うコトになります。
具体的な数値は、こんな感じ。
- 売上高|19億円
- 旅客数|71,000人
- 有効座席キロ|49,100万座席キロ
- 有償旅客キロ|25,400万旅客キロ
- 座席利用率|51.9%
就航したばかりのブランド。
この数値をどう捉えるべきなのか…と言う感じはしますが、やはり座席利用率がそこまで伸びなかったのかな?と言う感じはしてしまいます。
ただ伸び悩んだ理由としては、バンコク線開設直後に機材不具合のため運休が出たコトで、まずは販売よりも運航品質を高めるコトを優先し、全ての路線でプロモーションを自粛した結果であるとの考えのようです(なので、「AirJapan」としても、ちょっと想定よりも伸び悩んだと言うイメージなのでしょうね)。
逆に、これらの原因が解決され、第3四半期以降は、盛り返せるとの見通しも。
ライバルZIPAIRは、既に黒字化を達成!
ライバルと目される「ZIPAIR」は、既に年間通しての黒字化に成功。
2期連続の黒字化も達成して、経営面では黒字で軌道に乗り始めている状態。
ひとまず、初期の目標値であった保有機材数10機も、2025年度には到達する見込みで、その先、さらに機材数を増やす計画でいる。
「AirJapan」は「ZIPAIR」よりも出遅れてしまったが故に、今後、どう巻き返しを図っていくのだろう…?と言う感じ。
ただ出遅れたと言っても、まだ「ZIPAIR」も保有機材数は10機に到達していない段階なので、そこまでの規模感がある訳じゃないですけれどもね。
ただ「ZIPAIR」は、北米路線も開設済み。
なので、東南アジア~北米間の乗り継ぎ需要が拾えますが、「AirJapan」は北米路線がなく、今後も計画としては上がって来ていない状態ですから、日本発着の2拠点間での需要を拾っていくしかない航空会社と言う点では、やや差があるかな…と。
LCCではなく、LCCとフルサービスキャリアの中間を目指すと言う感じなので、安売りをして座席利用率を上げる感じでもないだけに、かじ取りのバランスは難しそう。
「ZIPAIR」は2クラス制を導入しましたが、「AirJapan」は機材の大きさを十分に発揮できる1クラス制なのも、差がある部分。
さらにJALグループはLCC部門の「ジェットスター・ジャパン」の国際線網が貧弱。
ANAグループの「ピーチ」は、順調に国際線網を増やしているだけに、「ピーチ」との路線網でのバッティングも気になるところです。
とは言っても、「ZIPAIR」の対抗馬としても、今まで取りこぼしてきた層を拾う意味でも、「AirJapan」を軌道に乗せていく必要はあるのでしょうから、次の路線がどこに就航するのか…と言う期待感はありますかね。
まずはこの夏が1つの試金石?
当面は、機体の大きさと客席数を生かせる路線からの就航になるのでしょう。
そうなると、比較的、ボリュームがあるような都市が選ばれるのかな?と言うイメージ。
ただこの夏の座席利用率を見てから、展開が再考されるのかなぁ…と言う感じも。
着実に座席利用率が伸びている感じなのかどうか。
個人的にはバンコク線の日本発の出発時刻と現地到着時刻が、ちょっと使いにくい感があって、よほど安売りしていない限りは、当面、利用するつもりはないのですが(現地到着が、もう少し1時間でも早かったら良かったのですがね…)、いつかは利用してみたいなぁ…と言うのが、本音だったりも。
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