買収契約を解除へ!
ブリティッシュエアウェイズやイベリア航空などの持株会社である「インターナショナル・エアラインズ・グループ」(以下、「IAG」)が、買収計画を進めていた「エア・ヨーロッパ」の買収契約を解除するコトが明らかになりました。
「IAG」による買収計画は、2023年2月23日に締結したモノ。
IAG、1度は諦めたエア・ヨーロッパを買収して完全子会社化へ!
元々、「IAG」は2022年8月に「エア・ヨーロッパ」の発行済み株式の20%を取得済みでしたが、さらにグローバリアから残りの80%を取得して、完全子会社化すると言う計画でした。
あまり計画が進んでいない感じはありましたが、今回の契約解除に伴い、「IAG」はグローバリアに違約金として5,000万ユーロを支払うコトに。
解除の理由として「IAG」は、
- 現行の規制環境下では、株主にとって最善の利益にならない
としています。
「IAG」としては、今後もマドリッドをハブとして効果的かつ戦略的に競争を行なっていくコトを表明しており、マドリードでのプレゼンスを高めて行く構え。
実際の理由は、何なのか?
実際の理由は、何なのでしょうね。
確かに「イベリア航空」を傘下に持つ「IAG」と、「エア・ヨーロッパ」は、事業領域がかなり被るのは事実ですし、そこまで統合効果が見られないと踏んだのでしょかね?
ただそれは買収計画が進む前に分かるコト。
中南米・カリブ~スペイン線でかなりシェアが高くなるコトが懸念されたとしても、それも計画以前に分かる話。
「エア・ヨーロッパ」自体、別に決算が悪い訳でもないですし、ちょっと断念の本質が分からないところです。
逆に、アリタリア航空の後継である「ITA Airways」がルフトハンザグループ入りし、「スカンジナビア航空」がエールフランス-KLMグループに入る今、ヨーロッパ域内で「IAG」がプレゼンスを高めようとするのであれば、あまり他に候補となる航空会社がいない状況だと思うのですがね。
また逆に「エア・ヨーロッパ」としても、今の規模でこの先も独立独歩でやって行くのは、なかなか厳しい感じがしなくもない。
加盟しているスカイチームとしては、ヨーロッパ内で南米方面へのアクセスになる航空会社としては貴重な存在かも知れないけれど、それにしても、もう少し機材数も欲しいし、規模感が欲しいところだろうしなぁ…
元々の保有株式はどうする?
「IAG」による「エア・ヨーロッパ」の買収断念は、これで2度目。
もうさすがにこの次はないかな(よほど事業環境に変化があれば、別ですけれどもね)…?
買収は断念したけれど、元々、保有していた20%分の株式はどうするのかな?
こちらも売却するのだろうか?
もし買収自体は断念したけれども、20%分の株式は引き続き保有し続けるのであれば、諦めた訳じゃないって感じもしますが。
まぁ、これでスペインに拠点を持つ航空会社間に加え、ヨーロッパ~カリブ・中南米路線では競争が維持される感じになるので、消費者側からすれば、アリなのかな?と思わなくもないですけれどね。
やはり競争がなくなると、それはそのまま運賃に響いてきますからね。
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