JAL、中間決算は黒字ならず、40億円の赤字!

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旅客の戻りはJALがANAを上回るが…

先日、ANAの中間決算が発表になりましたが、上半期としては久しぶりに195億円の黒字に。
ようやく日本の航空業界にも薄日が差し始めて来た感じのする内容でした。

で、続いてJALも中間決算を発表しましたので、そちらの内容を見てみるコトにします。

JALグループの2022年度上期決算は、営業損益が40億円の赤字。
財務邦人所得税前損益は、ギリギリ4億円の黒字を確保していますが、最終損益としては21億円の赤字で、黒字転換はならず…と言う感じでした。

 今期前年同期対前年同期差対前年同期比
売上収益6,185億円2,906億円+3,278億円112.8%
売上|国際旅客1,632億円298億円+1,341億円460.3%
売上|国内旅客2,086億円899億円+1,189億円132.5%
売上|貨物郵便1,262億円983億円+278億円28.3%
純損益▲21億円▲1,049億円+1,028億円

国内線の売上も大きく戻していますが、それよりも国際線の戻りが急激ですね。

それはANAも同様の内容で、ANAは1,614億円で430.9%の伸びでしたが、JALはそれを上回る形の伸び率になっています。

国内線もANAは2,428億円。
これはJALを上回る売り上げですが、対前年度で見ると117.0%の伸びなので、戻り方で見ればJALの方が戻している形ではあります。

収益的にはJALの方が良い数字を出しているのに、黒字に転換したのはANA。

その差は、営業費用の削減具合と言えそう。

これは去年の中間決算の時点でも同様で、JALよりもANAの方が削減幅が大きかったのですが、今期もそれが続いている感じ。

もちろん、燃油費が伸びていると言うのも要因としてはありますが、それはANAも同じ話。
コロナ禍以前の2019年度の中間決算と比べてみても、燃油費以外の部分で11%の削減(それでも613億円の削減になっていますが)。

新型の機材をコロナ禍でも引き続き、入れ続けていたりするのが大きいのかな?とも。

LCC2社では115億円の売上収益

連結子会社のZIPAIR Tokyoとスプリング・ジャパンについては、2社合わせて上半期で115億円の売上収益。
どちらの会社がどれだけ…と言う売り上げは公表になっていませんが、ピーチが408億円の売り上げがあったのを見ると、やはりこの2社だけだと物足りなさはあるのかな…と。

もちろん、JALにはジェットスター・ジャパンもグループとしては抱えていますが、ZIPAIRとスプリングだと、国内線の収益が乏しい状態で、スプリング・ジャパンの成田発3路線のみですし、国際線もZIPAIRは拡大の途上だし、スプリング・ジャパンは中国の規制がまだまだ残っている状態だったので、なかなか収益が伸ばせていない感じですしね。

まぁ、国内線が乏しい中では、踏ん張っていると言うべきなのかも…で、ZIPAIRが12月から就航する予定のサンノゼ線は、予約が順調で、既に増便が決定していたりするので、国際線の需要回復と共に、着実に収益は伸ばして行けそうな感じはしますけれど。

ただZIPAIRも次の路線展開は、恐らく台北なのでしょうが、これがなかなか決まらないですしね。

通期見通しは変更せず

下半期を見据えると、売上収益は上半期よりも伸びて1兆4,040億円を見込むコトが明らかに。
元々、期首時点の想定が1兆3,900億円なので、140億円ばかり上方修正した形です。

ただ内訳的に見ると国際線旅客は400億円の上振れなのに対して、国内線旅客に関しては540億円の下振れになっているのが目立つ。
またLCCも30億円の下振れ想定。

これはANAと同様の想定で、通期で見ると所得税前利益は800億円、純損益は450億円の黒字転換想定(この部分に関しては、期首時点での想定通りで変更なし)。

さて…
どこまでこの通りになるのか。

一応、国内線がこの第3四半期にはコロナ禍前95%にまで回復すると見込んでいますが、全国旅行支援があっての数値であり、その後の第4四半期までその勢いが持続できるのかは未知数のようにも。

国際線は期首想定からはやや戻りが遅いイメージのようですが、単価を上げて来ているコトもあって、収益的にはそこそこ確保できそうな感じはありますが…

ANAとは違い、JALは赤字こそ脱却できなかった中間決算でしたが、明るい兆しは見えた内容なのかなぁ…と。
あとはどれだけ巻き返せるのか。

大きく荒れる要因がこれ以上、出てこないコトを願うばかりではありますね。

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