ICOCAによるポイント還元サービススタートへ!
関西大手私鉄の「阪急電鉄」「阪神電気鉄道」と、グループ傘下の「能勢電鉄」と直通乗り入れ先の「山陽電気鉄道」が、交通系ICカード「ICOCA」によるポイント還元サービスを実施することを発表しました。
各社路線内で「ICOCA」を利用した際、1ヶ月間に同一運賃区間の利用が11回以上になった場合、ポイントを付与すると言うモノ。
これに伴い、各社ともに回数券および往復乗車券の発売終了を発表しています。
ポイントサービスの開始日と回数券および往復乗車券の発売終了日は、会社によってやや異なり、
・阪急/能勢
…2023年4月1日ポイントサービス開始 / 4月30日回数券など発売終了
・阪神
…2022年9月1日ポイントサービス開始 / 9月30日回数券など発売終了
・山陽
…2023年3月ポイントサービス開始 / 3月31日回数券など発売終了
気になるポイント還元率も会社によって異なり、
・阪神 / 山陽…11回目以降の乗車に対して10%
・阪急 / 能勢…11〜30回目の乗車に対して10% / 31回目以降の乗車に対しては15%
鉄道各社とも、回数券の販売終了を発表するケースが相次いでいますが、ポイントによる還元がある会社と還元策がない会社とに分かれていますが、阪急阪神は、ポイントによる還元を行うコトを選んだ形で、それにグループ会社の能勢電と乗り入れ先の山陽が加わったと言う感じですね。
神戸高速線については、阪神としての扱いで、阪急神戸高速線も阪神としてポイントサービスを実施予定。
なお、ポイントサービスの利用については、事前にICOCAに氏名・電話番号・生年月日の利用登録が券売機で必要になります。
貯まったポイントは、1ポイント=1円で利用可能。
阪神からまずはスタートですが、阪神で利用登録すると、もれなく阪急・能勢・山陽でも利用登録され、どの会社のポイントでもまとめてチャージが可能とのコト。
オトクさと便利さは低下へ!
阪急阪神も、いよいよ回数券の販売終了。
まぁ…
いつかはそうなるのだろうなぁ…とは思っていましたが、こんなに早く終了してくるとは思ってもいなかったと言うのが、正直なところ。
既にJR東日本などでも行われているポイントによる還元サービスの実施ですが、正直、還元率としては、そこまで魅力的とは言えないのかも知れない。
そもそも3ヶ月間有効の回数券と異なり、1ヶ月単位になってしまうし、運賃区間を越えた場合、回数券ならば、ひとまず精算するコトで利用はできますが、この種のポイントサービスだと、同一運賃区間を外れてしまうと1回と見做されないですしね。
金券ショップへの対策としても、有効だとは思いますが、やはり利用者からすれば、ややマイナスな部分は否めないかなぁ…とも。
ただこうした還元策は、本来、後払いのクレジットカードを利用している「PiTaPa」の方がやりやすそうにも思う。
もちろん、そもそも「PiTaPa」にもそうしたサービスが付随している訳ですが、今回、「ICOCA」にもポイントサービスを搭載すると言うコトで、もう完全に「PiTaPa」を諦めたのかな?と言う感じもしてしまいますね。
理論的には優れている感じがある「PiTaPa」ですが、やはりクレジットの与信もあるので、なかなか拡大しきれなかった。
折角、「スルッと関西」の基盤があったのにも関わらず。
正直、今でも、もったいない感じはあるんですけれどもね。
ただもう今から挽回は、なかなか難しい話なんでしょうね。
これから、設備更新などの費用も出てくる。
これを今の規模感で、どう捻出していくのか。
どうやって生き抜いていくのか。
もういっそのコト、ICOCAに一本化した方が、手数料を支払ってもコスト安のようには思う。
まだ阪急阪神なんかは、クレジットカード分野をしっかりと持っているから連動させていけば、メリットも大きいのでしょうし、大阪メトロの割引率は魅力的ですが、グループ会社が弱かったり、思い切った割引施策を打てない場合、やっぱり先の展望は読めないよなぁ…とも。
そうなったところから、パラパラとICOCA一本化と言う流れが出て来るんだろうなぁ…と。
最後まで回数券が残る大手私鉄はどこ?
回数券。
もはや、どんどんオワコンと化してきた感じはするけれど、個人的にはニーズがまだまだあると思う商品。
ただそれに応えるだけの余力が鉄道事業者側にナイと言うのが、正直なところなのでしょうね。
今回の阪急阪神は、まだポイントサービスを後継として打ち出したので、まだ余力があると言えるのかも知れないけれど。
さて…
まだ回数券を存続させている大手私鉄はどう出てくるのか。
最後まで残りそうなのは…
乗車ポイントを導入しながらも、回数券の廃止は打ち出さなかった西武かな…?
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