近鉄、来春、運賃値上げで難波~奈良が680円に!

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なんか…
この春から色々なモノが値上げになったけれど、参議院選挙が終わったら、きっと増税の話もチラホラと出てくるんだろうなぁ…

近鉄、運賃値上げへ!

関西の大手私鉄である「近畿日本鉄道」(以下、近鉄)が、2022年4月15日に、2023年4月1日から全線での運賃改定を申請したコトを発表しました。

実施されると、消費税の増税以外だと1995年以来、28年ぶりの値上げと言うコトになります。

既に、関西だとJR西日本が一部の区間での運賃値上げ(と言うか、運賃値引きの縮小)を発表していますが、それに続く形に。

まず普通運賃の値上げ幅は、平均17%。

それに連動して、通勤定期の値上げ幅は、約18.3%。通学定期については、負担を配慮して値上げ幅を留め、9.2%としています。

具体的な区間の普通運賃・通勤定期の金額は、以下の通り。

区間普通運賃通勤定期
現行改定後現行改定後
大阪難波~近鉄奈良570円680円19,960円23,680円
近鉄奈良~京都640円760円20,980円24,880円
初乗り160円180円  
大阪難波~近鉄名古屋2,410円2,860円  

近鉄の利用者数は、2020年度で約4.2億人。
約8億人を数えてピークを迎えた1991年度からすると半減近くに(コロナ禍前の2018年度ですら約30%減)。

運輸収入は2020年度で934億円。
2,002億円でピークを迎えた1996年からすると半減以下と言うレベルにまで落ち込んでいるのが現状(コロナ禍前の2018年度ですら1,493億円)。

2府3県とJRを除くと国内最大の501.1kmの営業路線を持っている近鉄ですが、都市圏・都市間輸送以外にも閑散路線を多く抱えていると言う問題が、ここに来て出て来た感じ。

難波~奈良が片道680円に!

ただそれにしても難波~奈良で680円と言うのは、やはり安くない。

大阪難波~近鉄奈良で32.8kmである。
大手私鉄の中では、やはり群を抜いて高いのでは?と思うレベル。
いや、元々の570円ですら、高いと言いたくなるレベルなのに、より高くなると言うコトになる。

結局のところ、近鉄もJRなどと同様に、赤字路線を黒字路線でカバーすると言う構造的な問題があると言うコトなのだろう。

奈良線・大阪線などはドル箱路線。
関西圏の私鉄各社は、私鉄vs.JRと言う競合関係で切磋琢磨してきた感じがあるが、近鉄で見ると、JRは強力なライバルと言うには、程遠い状態。
名古屋圏でも、近鉄の方が強いし、あえて言えば、京都線がJRの奈良線に追い上げられているぐらい。

ただメインの幹線以外の路線が、閑散路線と化しているし、実際のところ、かなり収益の弱い路線も多いのが実情だろう。

それでも近鉄は、養老鉄道・伊賀鉄道のように少しずつ、手は打って来たと思う。

結局、コロナはその決定打になっただけ。

運賃の改定は、一時的には経営面でプラスにはなるだろうが、沿線人口は今後、ますます減って行くのだろうから、根本的な解決には繋がらないように思える。

ただレジャー部門の比率も高いのが近鉄グループの特徴。

コロナ禍が一段落すれば、またグループとしては盛り返せるだけの体力は、運賃を上げるコトで確保できるのかも知れないけれど。

でも…
今回の改定では、特急料金などは据え置きに。

先に値上げするとしたら、そっちなんじゃないのかな…と言う気はしなくもない。

もちろん、収益悪化分を特急料金の改定だけでは取り戻せないのは事実でしょうが。

実に久々に一般型車両に新車導入へ!

で、一緒に新一般型車両の導入も発表になっています。

今回の発表では、2023~25年度にかけて、車両の置き換えを実施し、新造から55年が過ぎている車両など約450両が対象となり、順次更新して行くとのコト。

実際の更新車両は、今後、利用状況を見極めた上で判断するコトになるので、もうちょっと減りそうな感じはしますけれどね。

実は、近鉄では「ひのとり」など特急車両の導入はありましたが、ここ14年間、一般型車両に新車が入っていない状態。

最後の新車は2008年増備の9820系。
形式としても2001年デビューの9820系が最新。

さすがにこの20年の間、新型の形式がデビューしていないと言うのは、大手私鉄としては、かなり異例の状態に思えるので、これは朗報と言えそうですね。

ダラダラと増備を重ねるよりも、一気に入れ替えた方が、コスト面でも抑えられそうですしね。

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