京浜急行バス、夜行バスから撤退!
大手私鉄の京浜急行のグループに属する「京浜急行バス」が、2021年3月15日で、長距離夜行バス路線全便が廃止・休止するコトが明らかになり、事実上、撤退と言うコトになります。
現在、「京浜急行バス」が運行している長距離夜行バスは、
・「ノクターン号」…横浜・東京~弘前・五所川原
・「ビーム1号」(ビームワン)…横浜・東京~盛岡・宮古・山田
・「キャメル号」…東京~鳥取・倉吉
・「キャメル号」…東京~米子
・「エディ号」…東京~鳴門・徳島・川島
の4系統5路線。
現時点でもコロナ禍の影響で全便が運休状態ではありますが、正式に路線が運休・廃止と言うコトになります。
なお、長距離夜行以外の横浜~房総方面/横浜~甲府方面と言った中距離昼行バスや羽田・成田空港発着の空港リムジンバスについては、当面の間の運休もしくは、臨時ダイヤでの運行が継続されます。
キャメル号は、路線廃止!
運休になる長距離夜行バスについては、共同運行会社によって路線自体はひとまずそのまま継続される路線もありますが、以下の通りになっています。
路線 | 共同運行会社 | 対応 |
ノクターン号 | 弘南バス | 弘南バス単独で運行継続 |
ビーム1号 | 岩手県北バス | 県北バス単独で運行継続 |
キャメル号 | 日本交通 日ノ丸自動車 | 路線廃止 |
エディ号 | 徳島バス | 運休 |
東京から山陰までの長距離路線となる「キャメル号」は、鳥取・倉吉発着便も米子発着便も共に廃止と言うコトになります。
撤退の理由は?
「京浜急行バス」自体、羽田空港へのアクセスバスはかなりの路線を持っていましたが、長距離夜行バスに関しては、そこまで強くなかった印象。
元々はもう少し長距離夜行バスの路線数も多かったのですが、2008年頃に滋賀・大阪線などから撤退。
さらに、その後、残っていた青森や今治線からも撤退。
近年では2019年に東京~亀岡・福知山・舞鶴などを結んでいた「シルフィード」号を運休して、今の路線数になっている状態でした。
同じ高速バスの分野でも、アクアラインを渡るような昼の中距離路線は、「京浜急行バス」においても、活況を呈していたと思うのですが、やはり東京側の京急の拠点が品川になるのが、夜行バスと言う点では、ちょっと弱かったのかも知れませんね。
ただ何よりも、今まで羽田空港へのアクセスバスで稼げていたのが、この1年、ここで稼げなくなったと言うのが、大きいのでしょう。
スケールメリットを受けられるほどの規模感がない状態で、コロナ禍で長距離夜行バス需要がほぼ消滅。
今まで稼げていた空港アクセスバスも壊滅的な状況。
で、再構築…と言う流れなのでしょう。
他のバス会社でも長距離夜行バスは特に壊滅的な打撃を受けている最中。
各社ともにコロナ対策を行なっているけれども、なかなか需要が戻っていない形で、運休や減便も続いている状態。
今まで地方のバス会社は、高速バスで稼いで、地域の路線を維持すると言うスタイルのところも多かったので、そう言った会社は、需要が回復するまで待つしかないのかも知れませんが、逆にそう言うビジネスモデルではないバス会社だったり、そもそも長距離夜行バスの路線数が少ないところとかは、今後も同様の動きが出て来てもおかしくないよなぁ…と言う感じでしょうか。
具体的に書くと、「京浜急行バス」と同じく空港アクセスバスとかしま号に強みがある京成バスなんかは、長距離夜行バスだけだと3路線しか運行していないし、東急バスグループで唯一、長距離夜行バスの運行がある東急トランセも夜行は2路線のみ。夜行に限定すると京阪バスなんかも路線は少なかったりする。
寝ている間に移動ができる長距離の夜行バスは、便利なので重宝するのですが、コロナ禍の大きなうねりの中で、縮小が続く可能性は、低くないんだろうなぁ。
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