キューバ、CUC廃止へ!
キューバと言う国は不思議な国である。
社会主義国。
アメリカからの経済制裁もあって、決して豊かな物資がある訳じゃない。
ケータイだってインターネットだって普及は遅れているし、移動するのも楽じゃない。
それでも旅人を惹き付ける魅力があるのは、歴史的な街並みがまだ残り、世界的なチェーン店の姿が皆無であり、クラシックカーが走り、教育水準が高いのにラテン気質な人々と言うのに加え、革命家であったチェ・ゲバラとフィデル・カストロの姿が大きいのだろう。
旅がしにくい訳じゃない。
不便なだけで。
不便なコトは幾つかあるけれども、それでも1番不便だな…と行く前に思ったのは、二重通貨制度であると言う点。
キューバには2つの通貨がある。
外貨と交換が可能な外国人向けの兌換ペソ(CUC)と、一般的に流通しているペソ(CUP)。
現在、CUCは米ドルとほぼ等価で固定されていて、CUPはCUCの1/25で取引されていると言う状態。
慣れてしまえばそこまで難しい話でもない。
CUCかCUPかは、お店の外観からして分かるし。
でも、やっぱり便利とは言い難いのは事実だったのですが、そのCUCが2021年1月1日付で廃止するコトが発表になりました。
ラウル・カストロ政権になって、段階的に経済改革が進められて来ましたが、その際も、CUCの廃止が共産党機関紙などで取り上げられていたりしたので、今回も「ホントかな?」と思いましたが、ディアスカネル大統領が演説で発表しているし、ラウル・カストロ共産党第1書記も同席していたので、今回は、ホントに実施されそうな感じ。
今後は、CUPに一本化し、1USドル=24ペソ(CUP)で固定するコトになります。
CUC廃止の理由は?
今回、廃止されるCUCは、ソ連崩壊後の1994年に導入されたモノ。
廃止の理由については、まず二重通貨制度は複雑になりやすいので、海外からの投資が抑制されてしまうと言う点。
特に経済制裁以後、海外からの投資に飢えている状態なので、まずはこれを取り除いて、スムーズな投資の実現に踏み出したと言うコト。

ただ1番の理由は、観光業関連に従事する人や、外国に住んでいる親族から送金が受け取れる人はCUCが手に入りますが、外貨が入手しにくい人との間で、経済格差が広がってしまう原因になり、それが社会主義国としては問題になったと言うコトでしょう。
つまりは観光客の利便性とかではなく、社会主義国家としての根幹に対応したと言うコトなだけ。
世界的にも、全廃か?
外貨兌換券の廃止。
これまで古くは中国の兌換元が有名でしたが、モンゴルの兌換ルーブル・ビルマ(ミャンマー)の兌換チャット・北朝鮮の兌換ウォンなどがありましたが、いずれも全て廃止に。
兌換チャットなんて、入国時に300USドル分の強制両替がありましたけれど(後に減額された)、そもそも国内の両替商ではUSドルからと兌換チャットからの両替だと全然、レートが異なっていたし(USドルの方が良い)、利用できる場所もホテルや航空券の購入など限られた場所しかなく、安宿を巡っていると1ヶ月でも使い切れず、空港での強制両替の際に5ドル程度の賄賂を渡して強制両替免除or減額させると言うのが恒久化すると言う形に。

後にも先にも、今のところ、入国時に賄賂を渡したのって、この時だけだなぁ…なんて思うのですが、今回のキューバのCUCの廃止で、世界的に外貨兌換券を導入している国は、なくなるコトに。
これも時代の流れ。
明らかに便利になるので、歓迎したいところですが、まさかホントになくなるとはなぁ…なんて、やっぱり思ってしまいました。
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