レッドベンチャーズがロンプラ買収へ!
日本では先日、海外ガイドブック出版の老舗である『地球の歩き方』の版元が、「ダイヤモンドビック社」から学研グループへと移行するコトが発表されましたが、世界的な旅行ガイドブックである『ロンリープラネット』(以下、ロンプラ)も、「Red Ventures」(以下、レッド・ベンチャーズ)が買収するコトが発表になりました。
「ロンプラ」と言えば、世界のほぼ全ての地域をカバーし、読者は年間1億8,600万人にも及ぶと言われている巨大なガイドブック。
世界的に出版業界が変革期に入っているのは間違いないでしょうが、その中で、他社のウェブサイトやプラットフォームへのコンテンツ提供や、B2Bを進めたり、ビジュアルを重視した「TRILL Travel」を買収したり…と、既存のビジネスに頼らない動きを見せていた中でしたが、それでもこのコロナ禍の大きな流れには勝てなかったと言うべきなのか…
買収する側の「レッド・ベンチャーズ」は、CNET Media Groupを2020年9月にViacomCBSから5億ドル(約530億円)で買収したばかり。
これによってCNET・ZDNet・Chowhoundなどが傘下に入っており、その結果、100近いデジタルブランドを運営していますが、「ロンプラ」との親和性がありそうなのは、そう多くはない気はしますね。
既存の「The POINTS GUY」は旅行系のメディアサイトなので、まだ親和性はありそうだけれども、別にグルメや予約サイトを持っている訳じゃないし。
一応、今後はデータに基づいてパーソナライズしたデジタルコンテンツを利用者に提供して行くとしていますが、そもそもあくまでも「ロンプラ」のメインはガイドブックなんだよなぁ…と。
その辺りの軸が今後は大きく変わって行くかもしれませんね、今回の買収で。
ガイドブックと言うよりも、旅行メディア化に拍車がかかると言う感じで。
気付いたら日本語版は無くなったけれど
個人的には、『地球の歩き方』にもお世話になっているけれども、『ロンプラ』も使っています。
なんなら最近の旅については、ほとんどが併用している感じ(よほどの短期の旅以外は)。
『ロンプラ』は章立てで購入できるのと、デジタル化が早くから進んでいたので、大体は、ダウンロードしてPCに落として使っていると言う感じで、街歩きで利用すると言う感じじゃなく、移動情報などをメインに活用していますが、Kindle Unlimited会員ならば基本的には無料なので、そう言う人も多いのかなぁ…なんて。
ってか、Kindle Unlimitedの会費なんて、ロンプラだけで元が取れる様な気がしますけれどもね…(笑)
『地球の歩き方』の最大の特色は、日本語と言うコトと情報の更新頻度になるかと思いますが、『ロンプラ』は更新頻度こそ大きく落ちるモノの、その情報量の多さと正確さは、今でも追随を許していないように思う。
これで日本語版が出てくれればなぁ…と思うのですが、かつては日本語版も他社から出版されていたりしたのですが、そう言えば、なくなりましたね(多分、2回、今まで日本語版の出版がなされたと思うけれども、どちらも短命だった…)。
ビジュアル重視の日本人の旅のスタイルには、やっぱり合わなかったのかな…
情報量が多くて、出版されているモノは、分厚くなりがちなので、持ち運びにも不向きなのもあるし。
どう変わって行くのか…
まぁ、結局、気になるのは、版元が変わった後の動き。
『地球の歩き方』の方は、そこまで大きく変わらないのかなぁ…と言う感じうっすらしましたが、『ロンプラ』の方は、デジタルメディア企業による買収と言うコトで、変わって行く可能性がありそうな気がしますね。
仮に旅行メディア化が進んでも、今までのようなガイドブック業態は残って行くのでしょうが、単行本はどうなんだろうなぁ…と。
細々と出している感があるマガジンの方は旅行メディアとの親和性もありそうだけれど(個人的には機内でチラッと読むみたいなときに読みやすいので、ロンプラの雑誌は、キライじゃないんですけれどもね)。
変って行くコトと言うのは、仕方がない。
それをしなければ、継続できないのだったら。
だけれども、広く世界的に利用者がいるだけに、その変わり方がどうなるのか…と言うところは、気になるところですね、やっぱり。
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