負債総額は217億円!
2020年12月5日付で事業廃止を発表しているLCCの「エアアジア・ジャパン」が、2020年11月17日、東京地方裁判所に破産手続き開始の申し立てを行いました。
これによると、負債総額は217億円(その内、一般債権は210億円)に上るコトを公表。
新型コロナウイルス関連の破綻で見れば、大阪でホテル・旅行会社を経営していた「ホワイト・ベアー・ファミリー」の278億円に次ぐ2番目の規模になった形で、国内に拠点を持つ航空会社がコロナ禍により経営が破綻するのは、初となる。
チケット購入者の債権総額は、5億2,000万円。
このうち、直接購入が3億7,100万円で、代理店経由が1億5,000万円。
「エアアジア・ジャパン」によると、“現在の財務状態から払い戻し未了のチケットに対する返金を行える見通しは立っていない”とし、報道によれば、現時点で、少なくとも23,000人が返金を受けられていない状態であるとのコト。
楽天に支援要請?
かなり厳しい数値であるのは、間違いない。
「エアアジア・ジャパン」はそこまで稼働期間が長かった訳ではないから、投資に対しての回収期間も短かったと言うコトも影響しているのだろうが、そもそもコロナ禍になる前までの負債は、どのぐらいだったのだろう…とも。
航空産業は、幾らリスクが大きい産業と言えども、コロナ禍は予想できるモノではない訳だけれども、それまでの過程で、どれだけ負債が積み重なっていたのか…とも(2019年12月期の決算だと売上高は約40億円に対して、最終赤字は約47億円)。

ただ一部では、保全人の上野弁護士が株主である楽天などに支援を求めていると言う報道もあるけれど、楽天が手を伸ばす話なのか?とは思う。
そもそも株主ではあるが、楽天だって株式が紙くずになった訳で、多大な被害を受けた状態であるのは、間違いがナイ
しかも傘下に「楽天トラベル」を擁してはいるモノの、「エアアジア・ジャパン」と楽天の間で、そこまでの協業があった訳でもないように思うし、他の主要株主としては、ノエビアホールディングスとアルペンの2社がいるが、両社だって楽天と同様である。
親会社にもあたる「エアアジア」も、それどころの財務状態ではないから、何かしら打つ手がある訳じゃなく、一般的な消費者の負債は、泣くしかないのかも知れない。
一応、「エアアジア」本体は、将来的にグループの搭乗代金などに利用ができるクレジットアカウントで対応する形を取っているが、現金での払い戻しとなると、その原資が確保されていない状態だから、厳しいだろう。
また11月4日付で大半の従業員を解雇し、清算手続きに必要な約50人程度にまで従業員数を減らしているとのコトだが、未払い賃金があると言うコトも明らかに。
こちらも手元の資金や国の制度で対応が可能なのかは気になるところ。
労働債権は上位に来るだろうから、対応される可能性は高いのだろうけれど。
航空券の総額と人数とが比例しない?
ただそれにしても、総額が大きいし、詳細がどうなっているのかも分からない。
公表されたチケット購入者の負債総額は、5億2,000万円。
少なくとも23,000人が返金を受けられていないと言う報道を信じるのであれば、単価は22,600円になる。
仮に全員が往復で購入していたとしても、片道あたりの単価は11,300円。
ん?
「エアアジア・ジャパン」って、そんなに高かったっけ?
いや正しくは、「エアアジア・ジャパン」って、そんなに高い運賃を取れる路線に就航していたっけ?と。
盆休みやピークシーズンならば、分かる。
けれども1年の多くは別にピークシーズンじゃない。
セールも行っていたりするし、単価的にはオフピークだと7,000円ぐらいが全路線での平均単価のように思うのだけれどもな。
LCCがようやく根付き始めた日本だったけれども、水を差す結果にならなければ良いですけれどもね。
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