ジェットスター・ジャパン、5期ぶり赤字転落
LCCのジェットスター・ジャパンが、2020年6月期の通期決算を発表しました。
コロナ禍の影響を受けて以降、初の通期決算でしたが、純損益が前期は9億1,400万円の黒字だったのに対して、今期は77億5,700万円の赤字に転落。
通期での赤字は、2015年6月期以来、5期ぶり。
詳細を見てみると、こんな感じ。
2020年6月期 | 2019年6月期 | |
営業収入 | 478億8,300万 | 605億2,300万 |
営業利益 | ▲66億7,500万 | 10億6,400万 |
経常利益 | ▲77億2,200万 | 9億4,500万 |
純利益 | ▲77億5,700万 | 9億1,400万 |
営業収入は、上期が好調だったコトもあって、20.9%減で踏みとどまった感じですが、かなり大きな赤字額に転落したと言う形です。
他の経営指標を見てみると、こんな感じ。
2020年6月期 | 2019年6月期 | 前年同期比 | |
有効座席キロ | 50億9,400万キロ | 64億7,700万キロ | ▲21.4% |
有償旅客キロ | 42億人キロ | 57億人キロ | ▲26.3% |
有償旅客数 | 431万人 | 552万人 | ▲21.8% |
平均搭乗率 | 82% | 87% | ▲5.7% |
まぁ…
想定通りと言う感じではありますが、全ての指標で下落基調。
表には書きませんでしたが、主要指標で改善したのは、85%を記録した定時運航率(前期は78%)ぐらいでしょうか。
10月の減便率は58%!
こうした決算もあってか、10月のジェットスター・ジャパンは、国内線で追加の減便を実施するコトを明らかにしています。
減便数は合計で152便が追加で減便になり、合計で1,701便。
本来の便数は2,932便の運航計画なので、減便率は、58.0%と半数以上の便が減便するコトに。
減便率は、6月の89.9%を最高に、56.7%(7月)・33.3%(8月)と改善傾向にありましたが、9月には57.0%と7月とほぼ同レベルに戻っていたので、2カ月連続で同様レベルと言う形に。
こうした状況を受けて、減便による需要調整の他に、ジェットスター・ジャパンでは、この夏に予定していたエアバスA321LRの就航を延期するコトを決定しています。
元々は、中距離国際線への参入を見据えて、国内の高需要幹線に投入する予定だった機材。
新型エンジンで燃費が向上されたA321neの飛行可能距離を延長したのが特徴の機材で、これまでジェットスター・ジャパンは、1クラス180席のA320ceoしか保有していなかったのですが、1クラス238席のA321LRを3機、導入する計画だった。
これが導入されれば、日本から東南アジア全域と、中国本土のほとんど、さらにはインド東部までも就航が可能と言う今後の展開を担う機材だった訳ですが、この導入時期が未定に。
さらに人員の整理も行なっている模様で、このコロナ禍においても、新路線を開設するなどしているピーチとは対照的な動き方を見せている感じ。
累計搭乗者数は3,500万人を突破!
明るい話題はあまりナイのが現実ではありますが、その中で探してみると、累積の搭乗者が4月に3,500万人を記録したと言うコトでしょうか。
また自社の訓練体制・整備体制の拡充を図っていて、2019年10月には、指定本邦航空運送事業者指定、12月に航空機整備検査認定を受けてもいます。
ただやっぱり反転攻勢が掛けられると言う状態でもないのが事実。
人員の整理を行ってしまうと、需要回復期に反転を掛けられなくなってしまう訳ですが、この辺りの経営判断が難しいところでしょうが、まずは会社が生き残らないと意味がないですからね。
でも…
そろそろ明るい話題も少しは欲しいところではあるけれど。
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