JR+大手私鉄全18社が揃って赤字!

18社の四半期決算は、全社が赤字転落!

JR4社と大手民鉄の2020年4~6月期連結決算が出揃いました。

航空業界も大変な状態ですが、鉄道業界も同様で、全社が揃って赤字。

全国の主要な大手鉄道会社が、四半期決算で揃って赤字に陥ると言うのは、恐らく前例のない話の様に思いますね(少なくとも記憶にはないんだけれど…)。

具体的にまとめてみると、こんな感じ。

会社名 売上高 最終損益
今期 前年同期比 今期 前年同期
JR東日本 3,329 △55% ▲1,553 915
JR東海 1,287 △73% ▲726 1,313
JR西日本 1,633 △55% ▲767 425
JR九州 618 △38% ▲51 123
東急 2,097 △25% ▲201 163
東武 1,020 △37% ▲132 117
西武HD 663 △24% ▲287 142
京成 464 △34% ▲139 114
京王 591 △45% ▲107 83
小田急 703 △46% ▲163 90
京急 460 △48% ▲91 70
相鉄HD 565 △21% ▲17 58
名鉄 1,090 △26% ▲76 92
近鉄GHD 1,139 △62% ▲239 91
阪急阪神 1,112 △41% ▲189 213
京阪HD 441 △45% ▲34 86
南海 437 △19% ▲25 66
西鉄 703 △24% ▲74 21

JR以外の私鉄系の方が、まだ落ち込みが低い感じですかね。

私鉄で売上の落ち込みが最大だったのは、近鉄の62%減ですが、鉄道のみだと52%減で、鉄道事業で81%の減収になったJR東海や、68%の減収になったJR西日本よりも、傷は浅いと言えるのかも。

いや、もうここまで来ると、そんな大差はないのか…

減収が低い会社に共通点はあるのか?

減収が大きい・小さいに何か因果関係があるのかどうか。

減収が少なかったのは、南海の19%減(鉄道事業で48%減)。
続いて、相鉄HDの21%減、西鉄の24%減。

観光需要が薄い相鉄なんかは分かりますが、関空を沿線に抱えていて「ラピート」がもはや稼働していない状態になっている南海がトップと言うのは、ちょっと驚き。
高野山も観光需要は皆無になっているでしょうから、「こうや」も閑古鳥だったでしょうし。

西鉄はバスが踏ん張ったのかな…?

ただ鉄道事業だけだと相鉄HDの39%減がトップで、西武HD・阪神阪急の44%減と続く感じ。

この3社で見ると、西武は秩父・川越、阪急は京都・神戸…と、観光需要もあるけれど、そこまで…と言う感じの企業が並んだのかな…と言う気がしなくもないのだけれど、どうなんでしょうね。

逆に、特急の割合が高い近鉄・小田急辺りはかなり大きな落ち込み。

また空港輸送が主力になっている京成と京急も鉄道の減収率だと50%を越えて来る感じですね。

まぁ、確かにコロナウイルスの感染拡大後、通勤ライナー的に利用されてる有料特急ですら、閑古鳥が鳴いていましたからね。

この辺りは、想像に容易いのかな…とも。

JRよりも多角化経営を行っている私鉄各社ではありますが、私鉄最大の減収になった西武HDは、売り上げの4割近くを占めるプリンスホテルの落ち込みが大きいですし、大手旅行会社の近ツリを抱える近鉄GHDも減収率が大きく、やはり固定費の大きなホテルに力を入れていた会社も、揃って厳しそうですね。

ただその割に相鉄フレッサインとサンルートを傘下に持ち、近年、ホテル事業にかなり力を入れていた相鉄HDは健闘している感があるけれど。

大手各社ですら総崩れ

大手の私鉄ですら、この状況なのだから、地方の鉄道会社は、恐らくもっとしんどい状況なのだろうな…と。

銚子電気鉄道が、必死にリカバリーをしているのは、時折、ニュースにもなっていますが、観光需要の高そうな京福・叡電・伊豆急行・江ノ島電鉄や空港輸送比率の高い東京モノレール・仙台空港なんかは、どんな感じになっているのやら…

でも総じて、航空業界もですが、鉄道業界も固定費率が高い装置産業。
その中でも不況には強い産業と思われていただけに、全社で揃って赤字と言うのは、非常事態ですね。

どうやったら需要が回復するのか。
ネットを通じてのリカバリーなんて、なかなかできる話でもないのも、事実ではありますが。

ただこれをきっかけにそう言った分野への進出なんかが進むと、構造改革に繋がるのだろうけれど。

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