富山~関空で新規参入を目指すジェイキャス社が事業説明会開催

富山から新規参入を目指す「ジェイ・キャス」社

航空業界へ新規の参入を目指すジェイ・キャストが、2019年10月28日、富山市内で事業説明会を開きました。

具体的には、2021年秋に関空~富山線に就航を目指すと言うコトで、ひとまず、70~80席程度のターボプロップ機を2機、リースし、4往復で運航を開始。
2022年にさらに2機追加し、富山~中部・仙台線に就航。

関空~能登線への就航なども視野に入れている模様で、その後の事業展開としては、関空~米子や岩国と言った路線なども構想されているとかで、2026年には7機体制を目指すと言う感じ。

ジェイ・キャス社としては、まずは関西~北陸エリア。
そして北陸~中部エリアとを結ぶ航空路線網が不十分であり、そこを狙っていく形の様です。

座席数から見れば、ATR社のATR72-600型機を想定しているのかな?と言う感じ(↑の写真はチェコ航空の同型機)。

ATR72ならば既に日本でも、天草エアラインと日本エアコミューターで導入事例がありますし、ターボプロップ機だと、ランニングコストを抑えられると言う利点もありますからね。

ジェイ・キャス社の現状は?

で、とりあえず現時点で公表されているオフィシャルホームページから、会社紹介を見てみました。

設立自体は、去年の様で、本社は現状、東京に構えているみたいです。
まぁ、富山就航が見えてきたら、本社機能は東京ではなく、富山に移す予定なのかも知れませんけれども。

で、気になるのは、資本金が現時点で2,000万円だと言うコト。

事業の開始が目の前にある訳ではなく、まだまだ準備会社と言う段階なのは確かですが、それでも少なすぎるのでは?と言う感じがするのは、気のせいですかね。

今後、富山県内を中心に、合計30億円の資金を集め、運航の許認可を得たいと言う話で、就航後は、「JR並みの運賃設定を目指したい」と。

まぁ、関西~富山間は、「サンダーバード」や「雷鳥」と言ったJR特急が非常に充実していたのですが、北陸新幹線の金沢延伸でぷっつり切れてしまいましたし、北陸新幹線の関西までの全線開通まではまだまだ時間の掛かる話な訳で、ある程度、需要は固いのでしょうが、そもそも30億円が集まるかどうか…と言う所でしょうね、まずは。


新規参入を目指すも失敗した事例は、多々

「リンク」・「エアリージョナルジャパン」「エア奄美」…と、参入を企画していながら、資金調達に失敗したり、国交省などとの調整が不調のまま事業開始の目途が立たずに、資金繰りが悪化したケースが、今まで多々あった訳で、充分な資金と後ろ盾がいないままの新規航空会社の立ち上げと言うのは、ほとんど失敗しているのが、日本の現状。

「リンク」なんて、既存の航空会社であるスターフライヤーから業務支援までこぎつけていましたし、実際、導入予定機だった機材も受領寸前まで行っていたんですけれどもね。

「JRと競合しそうでせず、他の航空会社とも競合しない短距離路線を多頻度・低運賃で運航」と言う感じの考え方がどこまで支持を得られるかどうかでしょうかね。

リージョナル航空会社で、路線展開に成功している航空会社としては、IBEXエアラインズと、FDA(フジドリームエアライン)がありますが、IBEXは会計ソフト会社の日本デジタル研究所が親会社ですし、FDAの場合は、静岡の物流グループである鈴与の完全子会社ですから、今回の「ジェイ・キャス」社とは大きな違いがある訳ですし、FDAは静岡空港開港と同時に事業開始したコトもあって、地元の機運の盛り上がりもあったのは確かだったのに対して、今回の富山空港をベースにすると言うのは、ちょっと唐突感もありますしね。

これまで失敗して来た会社の先例を見て来たのは確かでしょうから、これをどう乗り越えて行くのか…と。

大手企業からの出資があるのかどうか

でも、公表されている就航予定が2021年秋。
あと2年しかない。

それで30億円。

なかなかハードな感じしかしないんですよね。

富山に本社があって、比較的大きな企業に出資が得られるかどうか。

結局、そこ次第なのかな、と。
三協立山・不二越とか、何気に北陸の中では大手企業が多い県なのは確かですが…

もしくは、どこかのベンチャー・キャピタルが後ろに付くか。

それにしても、30億円と言うのは、なかなかハードなのは確かでしょうね…

個人的には、伊丹をベースにするリージョナルエアがあっても良さそうなのになぁ…とかは思いますけれどね。
あと立ち上げからもうちょっとIT力と情報発信力が欲しいかな、失敗してきた事例で見ると。

まぁ、まだ準備会社段階なので、多くを望むのは難しいのでしょうが。

ただFDAの路線展開を見ていると、やっぱり大手の航空会社だけではなく、こうしたリージョナル航空会社が、地方間を結ぶと言うのは、日本の航空業界にはなかなかナイだけに、何とか就航まで辿り着けると、面白い感じはしますけれどもね。

鉄道網が弱く、国土も広いので比較していいかどうかは微妙な所もありますが、アメリカなんかは、こうしたリージョナルエアラインが、豊富に路線展開していますし(ただ大手航空会社の名義が付いていますけれども)、もう少し日本でも根付くと良いのですけれどね。

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