『前へ!前へ!前へ!』

『前へ!前へ!前へ!-足立区の落ちこぼれが、バングラデシュで起こした奇跡。-』

著:税所 篤快
刊:木楽舎

前へ!前へ!前へ! ―足立区の落ちこぼれが、バングラディシュでおこした奇跡―

失恋から始まるプロジェクト

きっかけは、彼女にフラれたコト。

ただそれだけだった。

そこからバングラデシュの貧しい農村部で予備校事業である「e-Educationプロジェクト」を立ち上げ、大学合格者を出した。

高校3年生が始まる春には、偏差値が28だったと言う著者。
はっきり言って、偏差値28はもう誰にでも出せる数字。

そんな“落ちこぼれ”だった著者が、自身の成長ストーリーを描いた1冊。

そもそも「e-Educationプロジェクト」とは、映像を使ってバングラデシュの農村部で、国のトップクラスの先生たちの授業をパソコンで、村で受けられると言うプロジェクト。

何と言っても、この1冊は、“動く”と言うコトが、もうこれでもかというぐらいに詰まっている。

動きながら、グラミン銀行のアシル・アハメッド氏や一橋大学の米倉 誠一郎氏など、どんどん周囲の大人たちを巻き込んでいく。

走れば走るだけ、このプロジェクトは大きくなり、形になって行く。

そして、現地の貧しい農村に教室を作るコトを成し遂げ、大学への合格者を輩出すると言う、結果を出すまでに至った。
そして、バングラデシュの農村部に希望を与えていく。



行動力が、舞台にシンクロする

著者が、常に動いていたからこその結果。

この常に動いているコト。

それが何とも躍動感溢れ、混沌としているであろうバングラデシュの舞台とシンクロする。

 

この本の中には、バングラデシュの情景がそこまで出て来る訳じゃない。

だけれども“考えながら、動く”と言うアクティブさが、舞台となっている世界でも人口密度の高い首都ダッカを抱えるバングラデシュのエネルギッシュさとシンクロして行く感じがする(まぁ、本の舞台は、農村部なんだけれど)。

そもそもこの「e-Educationプロジェクト」だって、初めから考えられていた訳ではなく、失敗や紆余曲折を得て、結果的にたどり着いたプロジェクトだったりする。

人生で何をしたいのか、良く分からない。
とりあえず、世間一般的に“良い”と言われている大学に入り、企業に入る。

それが日本のスタイル。

だけれども、そこに自分の考えや信念に基づいて行動をすると言うコトは、すっぽりと抜け落ちていると思う。

何かをしたくても、何をすればいいか分からない。
そんな人も多い様に思うし。

だけれども、動き出さなきゃ、何も始まらない。

それを具現化したような1冊。

本としての完成度が高いか?と聞かれたら、そうでもナイように思う。

だけれども、その行動力とスピード感でそれを感じる間もなく、駆け抜けて行く様な、そんな感じ。
気取った成功談を語る様な、そんなスタイルでもなく、“何かに挑戦して行動するコトのすばらしさ”を感じさせてくれる内容。

若者だから…と言うのは、簡単な話。

でも、実際の所、この「e-Educationプロジェクト」を成立させるのは、若者だから出来たと言う話ではなく、行動したから出来た、と言う話。

何か1つの場所にコミットしたい

旅をすると言うコトは、単に通り抜けるだけなんだけれども、こうして世界の何処かに自分が関わった場所があると言うのは、ちょっと憧れるなぁ…とも思う。

こんなに大きなプロジェクトじゃなくてもいい。
世界の何処かに自分が関わった場所を作る。

それを探す旅と言うのも、また悪くないかな…と思えたり(いや、凄く難しい話なのは分かっているので、あくまでも理想としての話だけれど)。

因みに、著者は何冊か著作を刊行しているのですが、その中に『「最高の授業」を、世界の果てまで届けよう』と言う本も出していたりします。

個人的には、内容が似通っている部分もあるので、どちらか1冊を買えばいいようには思います。

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本作の方が、どちらかと言うと、読みやすい気がするのは、気のせいなのかな…?

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