スカイマークの支援はANAへ…

民事再生手続き中のスカイマークの再建問題ですが、ようやく5日に開催された債権者集会で、ANAホールディングスと投資ファンドのインテグラルをスポンサーとする再生計画案が可決し、今後の方向性が定まり、次の一歩に向かって進むコトになった。
まぁ…
ようやく…
と言う感じが拭えませんが…ね。

結局、ANAの支援に落ち着くスカイマーク

5日に開催された債権者集会。
ANAホールディングスとインテグラルをスポンサーとする再生計画案が、債権総額の2分の1以上と、債権者数の過半数の賛同を得るコトに成功し、可決した。

対案として、最大の債権者であるアメリカ航空リース会社のイントレピッドがアメリカのデルタ航空をスポンサーに据えた再生計画案も提出され、それぞれが対立する展開になり、その可決が不透明になっていたが、最大債権者であるイントレピッドで以てしても、その他の大口債権者がANA側へと支持に回った為に、勝負を決した形になった。

具体的に見てみると、

  • ANA/インテグラル/スカイマーク案:議決者135.5人(総数は174人)・議決権総額60.25%
  • イントレピッド/デルタ案:議決者37.5人・議決権総額38.13%

と思ったより、差が出たと言う形になった(一部の債権者は議決権を分割して投票している)。

これによって、スカイマークは今後、ANAと共同運航を実施する他、新しいシステムの構築を検討するなどしてANAの支援の元で再生を図る形になるが、そもそも、イントレピッド以外の大口債権者であるエアバスとアメリカの航空リース会社であるCITがANA・インテグラル側に賛成したコトが読み取れる。

エアバスは、スカイマークが経営破綻した現況の1つになった大型旅客機のA380の購入中止を巡って、最大7億ドルの違約金問題を抱えているが、そもそも、それなのにどうしてANA・インテグラル側へ賛成票を投じたのかは気になる所。

今の所、ANAとしてはエアバスと交渉の中で、新しい機材の発注を契約する様な話はしていないとしているが、関係者の利害が交錯する中で迷走した結果であり、この言葉を素直に耳に入って来ない所ではあります。

第3極は骨抜きに…

さて、それにしても、スカイマークまでもがANAの支援の下に置かれたコトで、日本の航空業界は完全に2極化した感じになります。
スカイマークは第3極としての役割を担って来ていましたが、完全に振り出しに戻ったと言う所になります。
いや、寧ろ、かつてはJAL/ANAに加えて、JASがあったので、状況は悪化したと言う形になるのかも知れませんね。

まぁ…
そもそも日本の空に、第3極が必要なのか…と言う話もあります。
人口が減って行く中で、2つの航空会社が存在している日本ですが、世界的に見ても、2つの航空会社が併存している国と言うのは、そう多くは無かったりします。特に、フルサービスの航空会社で大きな会社が2社以上あるのは、アメリカ・中国・ロシアと言った国ぐらいなモノで、フランスもドイツもイタリアも、ほぼ1社+LCCに集約されつつありますから、日本に今までの様な第3極が必要なのか…と言う気もします。
スカイマークは別にフルサービス型の航空会社ではありませんが、決して、安さだけを売りにしたLCCでもナイ訳で、そうしたスタイルの航空会社が、これからの日本に求められているのかどうか…と言う感じはあります。
敢えて言うのであれば、大手の航空会社の傘下にはないLCCは求められるかもしれませんが。

さて、スカイマークの経営の独立性は、今後も維持されると言われていますし、そうしないと虎の子である羽田の発着枠の維持が厳しくなるでしょうから、そう言う形で進むのは、間違いがないでしょうが、資本上の支配権を有していなくても、Air DOやソラシドの様に、ANAの支援がなければ、たちまち経営が成り立たなくなる形で、実質上は骨抜きになって行く形も、想像出来る所。

LCCでもなく、大手航空会社でもなく…と言う戦略を引き続き掲げる模様ですが、それでいてスターフライヤーの様に、ハイブリッド型のLCCを目指す訳でもなければ、スカイマークの存在意義と言うのは、何処にあるのやら…と言うのが、正直な感想だったりしてしまいます。

逆に言えば、インテグラルが何処まで再建の主導権を持っていられるか…と言う点も気になる所。
少なくとも、コードシェアなどの形でANAの支援は入るのでしょうが、そうなった場合、やっぱり販売力をANAに頼る形になります。
販売力とシステム力を持っていたのが、スカイマークで、それはAirDoやソラシド航空との大きな違いだった様に思うので、そこを他社に頼るコトで、どこまで自主性を保っていられるのか…と言うのは、興味深い所。

それにしても…
デルタはまたしても日本の国内に足場を築くコトに失敗してしまいました。
今回は支援の表明も遅かったので、仕方がない感じもありますが、もし、これが真っ先に手を挙げていたら、どうなっていたのかなぁ…なんて、つい思ってしまいますし、デルタ支援の元のスカイマークが誕生していれば、それはそれで利用者としては面白い展開になったでしょうから、ちょっと残念な感じも。

ってか、どうしてこれだけ支援表明が遅くなってしまったのやら。

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