スカイマーク再建にデルタ資本検討!?

スカイマークが民事再生手続きに入ったのが、2015年の1月。
何だか、それからと言うモノの、決まったかの様な、それでいて話が全然進んでいない様な、そんな流ればかりなんだけれども、結局の所、まだ何も決まっていないのが現状なのですが、ネットのニュース記事には、今回、アメリカの航空大手であるデルタ航空が、スカイマークの支援の検討に入ったコトが取り上げられています。

スカイマークの再建問題

このニュース自体は、別段、目新しい感じはしないです。
寧ろ、まだ解決していないのか…くらいな程のニュースだったりしますが、スカイマークの最大債権者は、アメリカの航空リース会社であるイントレピッド・アビエーションなのですから、デルタの資本参加の話題が出ても、全然おかしくはないです。
イントレピッド・アビエーションはA330のリースをしていた会社ですが、他にもボーイング737のリース会社として、GEキャピタルアビエーションサービス・AWASアビエーション・キャピタルなどが、債権者として名前を連ねている他、エアバスも債権者であり、外資系の名前がズラリ。
日系であれば、ANAによる再建と言う流れで、結局の所、まとまりそうな気配がありますが、こうして外資系が入って来ると、また様相が変わって来る感じはしますね。

そもそもスカイマークの最大の利点は、羽田空港の国内線の発着枠。

この一言に尽きるでしょう。

勿論、“航空業界の第3極として”であるとか、“独立系の航空会社”と言う修飾語は、今も有効ではありますが、それは利用者目線で考えた場合であって、ビジネスとして見た時には、やっぱりこの“羽田空港の国内線発着枠”を持っていると言う一言に収まるかと思います。

デルタが資本参加すると、考えられるメリット

ここにアメリカ航空大手であるデルタ航空の資本が入ると、大きく競争環境は変わるコトが予想出来ますが、何処まで変わるのかを、まずは素人目線ですが考えてみたいと思います。

  1. 航空業界による資本参加で、安全運航を軸にした再建が出来る
  2. 外資系の主導による競争激化が望める
  3. あわよくばマイルの提携・発展が望める

と言う位なのかな…と言うのが、正直な所。
これが成田に発着路線を持っていたら、豊富なデルタの成田路線とのリンクが考えられますが、成田は先日、撤退したばかり。
経営の身の丈から考えても、すぐに復活と言う目は、難しいかも知れないので、今回は省いてみます。

1.に関しては、資本が手厚くなる上、既存航空会社からの資本となると、やっぱりそれなりの相乗効果を見込みたくなりますが、スカイマークは国内第3位と言っても、規模は世界的に見ると、かなり小さな航空会社であるのは間違いがないですから、そこまで相乗効果があるとは思えない。安全運航面に関しては、そもそもスカイマークは、大きな死亡事故などはナイですが、業務改善勧告なども過去には出されていますし、事故が目立っていたので、そうした安全運航の面ではプラスに働くのかな…と言うのが、正直な所。

2.の競争激化と言うのは、主に、運賃面でしょうか。
ただ、そこまで劇的に安くなるのか…と言えば、疑問符が付きます。そもそもLCCで行くのかどうかの結論がないので、何とも言えませんけれども。
ただ、アメリカの航空会社にサービスの質を求める訳ではないし、そもそも求めるのが間違っている様な気がしてしまいますので、質と言う意味での競争激化はそう簡単には起きないのでは…と言うのが、正直な印象だったりします。そもそもスカイマークの顧客層がビジネスクラスやファーストクラスを日常で使う様な顧客層ではナイでしょうし。

一番気になるのは、3.の点でしょうが、別にデルタの資本が入った所で、スカイチームに加盟出来る訳ではなく、そもそも国際線を持っていないスカイマークに、そもそもその資格自体がナイでしょうから、スカイチームとデルタのマイレージであるスカイマイルとは区別して考えなければいけないでしょうね。幾ら、日本でスカイチームのマイルを貯めている人の多くがスカイマイルで貯めていると言っても。

そもそもデルタ航空のマイレージであるスカイマイルとスカイマークは、既に提携関係にあります。
具体的に言えば、スカイマイルの特典航空券として、スカイマークが利用出来るのです。
さらに、マイルを貯めると言う意味では、デルタにはニッポン500マイルキャンペーンがありますから(期間限定キャンペーンですが、一応)、回数の制限はありますが、スカイマークに搭乗してデルタのマイルを積算すると言うのも、これまでも可能だった訳です。
勿論、ニッポン500マイルキャンペーンは期間が限定されているキャンペーンですし、今後も継続されるかは不透明ですが、現状でも、貯めるコトも使うコトも出来る訳です。

そう考えると、大きなメリットか…と言われると、微妙な感じもしますね。
勿論、本腰を入れて色々なキャンペーンが行われたり、今後、デルタの支援で国際線の展開も広がる可能性があると言うのは、魅力的ではありますが…

結局、利用者は誰も得をしない体質

それにしても、これだけ混迷を極めているスカイマークの再建問題。

ここまで話がこじれてしまった責任の一端は、明らかに、国交省の横ヤリにあった様にしか思えないのですが、昔から航空業界が、政治に振り回されると言うのは、変わっていないモノで、いい加減、どうにかならないのかなぁ…と言う気がしてなりませんね。

JALの経営再建の際にも、政治の横ヤリの話題は随所に出て来ていましたが、あの時は、自民党から民主党に政権が変わった混迷期でもありましたから、それを含めると、今回の方が、余計にタチが悪い気がしてしまいます。

利用者目線で考えた時に、何一つ、利点を生んでいない体質なコトに、早く気付くべきですし、そんな感じだから、いつまでも日本の航空業界と言うのは、世界の流れからワンテンポ、遅れてしまっている結果に繋がっているのに…

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