水のある街

時間が止まる、そんな風景

川面に太陽の光が照っては輝き返していた。
気が付けば、太陽は、頭の真上を過ぎたあたりにあって、建物が密接に絡みあっている旧市街と言えども、日影がほとんどない様な、そんな状態になっていた。

そう大きくはない旧市街だから、もう既に歩いたコトがない道は、ほとんどなくなっていたので、ぶらぶらと今度は川岸を歩いてみる。

所々にベンチがあったり、腰掛けられる様な場所があって、散歩するにはもってこいの場所。

ゆったりとした時間の流れ。
“時間が止まったかのような、そんな流れ…”とは良く言う話。
実際に、時間が止まるコトなんて、ある訳がない。
でも、時間の流れを感じさせない。

そんな風景。

そんな光景。

つい半日前まで、日本にいて、あくせくとしたリズムの中で生活していたのが、まるで嘘のように思えるけれど、嘘なのは、この旅の途上の今の時間。
でも、旅の最中だけでも、こうした時間を過ごすのも、悪くはない。

でも、もし長い旅の途上だったら、この街はどう見えるんだろう…とも思ってしまう。

つかの間のオアシスの様に感じるのか、それとも、変化の無い街の様に見えるのか…

どちらかなんだろうけれど。

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水のある街だと、なごめる

水が景色の中にある。
それだけで、何だかその街の印象が良くなる。
そんな気がした。

街の中で、川だとか、水辺だとか。
そんなスポットがあるだけで、その場所がグンッと自分の方に寄ってくる。
それはそう言うスポットが、人が集まり易くて、そしてまったりしやすいからなんだと思う。
大体、そう言うスポットには、ベンチが完備されていたり、芝生が有ったりするので、一休みもしやすいし。
風もほんのりと通り抜けて、気持ちも良くて、もし、治安が許されるのであれば、そのまま昼寝をしたくなる。

日本は川が多い国だとは思うけれど、不思議な程に、街中の川には、なごめる場所が少ない。
そもそも土手とかがある様な大きな川じゃないと、ベンチとかすらないし、コンクリートで固められた岸しかない。
それは防災上、仕方がない側面はあるんだろうけれど、何か、味気ないし、なごめる場所があるのは、旅人的には、ホントにありがたい限り。

片手にジュースを。
もう片手にタバコを。

もうちょっと、歩いてみようかな。

そんな気にさせる運河。
気が向いたら、明日は、手漕ぎの船に揺られるのも、悪くはないのかも。
期間が長い旅だと、そう言う贅沢はしないし、出来ないけれど、今回は、短いのだから、ある程度、許容出来るし。

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